弔いの声
死に逝こうとしているのだ──
日々、見る間に痩せ細る
命を喪いつつある肉体
頬は削げ、目は窪み、骨に皮が張り付いて
頭蓋骨の有り様がまざまざと分かる
即身仏のような顔容
それでもあなたは帰りたいと
聞き取れない呟きを漏らす
こんな身体で帰れば死ぬよと言えば
死にに帰ると、うすらと笑う
そんな時だけ生気が戻る
病院には居たくない
疲れた呟きは床に転がり
血の気のない白い骨のような指は
力なく私の手を掴む
家に行きたい、行きたい、生きたい
まだ、死にたくはないのだと
声にはならない声がする
あなたの窪んだ
けれど、肉体はとうに限界
死に逝こうとして痩せ衰える
こうしている間にも死に食まれていく
弔いの声がひたひたと、あなたの内から歩み寄る…
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