ROMA
こちら、ちょいといわくつきの作品です。
今年度アカデミーを三部門とったのですが、配給はネットフリックス。
にっくきインターネット作品ということで、映画会社から嫌われ、配給できなかった悲しき作品なのです。観たいならネットフリックスに入会するしかありません。
しかし!
ゲオユーザーの私はそんなことはしない!
日本で唯一、松本にある映画館で上映しているそうです!
みんな松本に行くんだ!!
監督・アルフォンソ・キュアロンが思い出9割で撮ったというこの作品。
1970年代のメキシコ中産階級の家で働く現地民家政婦が主役の、モノクロです。
めちゃくちゃ評価されているとかきいたので、さぞ面白いんだろなあと観に行って、開始一分で悟りました。
あ……これ、アーティスティックなやつだ……!
私はそういうの、きらいじゃないです。
というかヨーロッパ作品ってそんなの多いですよね。
でも父も一緒だったのでどきどきしました。
だって父、もののけ姫を観に行ったときもうしろで寝てたんだもの……!
物語は淡々と進みます。
とくに説明はない。
どこかもいつかもわからない。
主人公の名前が判明するのも映画が3分の1くらい進んでから。
五分で寝ると思ったのに、なぜか父はいつまでたっても眠らず、最後まで観ていました。なんで?
のちほど確認したところ、
「昔メキシコ行ったときの風景と同じだった。あれどうやって撮ったんだ?」
さすが『映画の真上で星が降る』のリサのモデル。70年代のメキシコ覚えてた!
「あの水たまりの多い場所はどこそこだな」とか「あのへんの海は危ないんだ、大人でも引き潮で溺れる」とか、豆知識教えてくれました。なるほどー!
淡々と進むのだけど、象徴的な映像がすごい。
寝ている暇はありません。
ほとんどの人はネットフリックスで観ることになるのだろうけれど、おねがいだから途中で切ったり携帯いじったりしないで! 集中して観てほしい!
自分の感情を表に出さない主人公クレオと、いやな男たち。味方になってくれているようで、実は一度もクレオがどうしたいかを聞かない雇い主の女性。そして、クライマックスで吐露される、クレオの本当の気持ち。
たったひと言。
そのひと言のために、この映画ができている。
ほんと、どうやって撮ったんだ?
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