ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

 恐ろしい男の映画を観てしまったよ。



 恐ろしい男……!


 そして、なんてアメリカらしい男……!!






 しがない営業マンがある日出会ったのは、それまでの価値観からは考えられないほどに合理性を追求した、新しいカタチのレストラン。



 ウェイトレスはなし。セルフで買いに来てください。

 お皿とフォークはなし。包み紙で食べたら、ゴミ箱へぽい。

 ご注文をありがとうございます、はい、どうぞ。

 え、もう出来たのかって? ええ、出来ましたよ。30秒でご用意します。




 そのレストランの名前は「マクドナルド」。




 これはマクドナルドを創った兄弟と、それを支配した男の話。



 支配した?


 いいや、かすめ盗ったんだ。






 なんだろう。

 怖い。

 でも、否定出来ない。

 映画で再三出てくる言葉。



「才能のある奴はいくらでもいる。でも、成功する奴はあまりいない」



 もしも成功したかったら、才能だけじゃ足りない。その先を見つめなくちゃいけない。

 執念と野心を持ち続けること。成功したければ、これが要るのだ。





 怖い。

 何が怖いって、あながち否定出来ないことがいちばん怖いのかもしれない。


 だって、私はこの映画を観ているうちに、間違いなく面白いと思った。

 弁護士が「これは不動産業です」と言った時、鳥肌が立った。



 すごい。

 ビジネスってすごい。



 でも私は、ライバルが溺れていたらその口にホースをつっこむなんて出来ないだろう。


 出来ないし、やりたくもない。





 それでも否定はできない。

 私はモスバーガー派だけどね。

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