第51話
今日、気づいたのだ。毎日、まいにち、わたしは、研ぎ澄ました感覚で、五感と、第六感を、つかって、探知していた。検出しようと、していた。こどもを、殺された親のような気持ちで、殺されたこどもは、もどってこないのだが、それでも、事件のことを、忘れよう、なんて、できなかった。もはや、事件である。犯人を、つきとめたい。それは、事件の、解決であった。 『ちょっと、まて!!』 その声は。 わたしを、殺した犯人の、声。 ナイス とぅー みー ちゅう あげいん ふたたび 会えたね わたしは 心のなかで いった。 あなたに 会いたかった。だれなのか 知りたかった じぶんを ずたずたに きりさいて 捨てたのは。 耳は、わすれない。肌は、忘れない。 そう、五感を、とぎすまして。 みつけなかったら、ふたたび、生き返ったとき、また、殺されるだろう。みつけなかったら。特定、できなかったら。特定できたら? 特定できたら、解決だ。 特定さえ、すれば。特定して?なにを、やりかえすって?必要ない。仕返しは。特定さえ、できたなら、あとは、おのずと、神が、さばかれる。だから、きちんと、確認することが、わたしに、必要なのだ。 なぜ、負けたのか。なぜ、無視できなかったのか、今のように。なぜ、相手をうらんで、しまい、じぶんも、その穴に、おちたのか。なぜ、どうにも、なにも、できなかったのか。なぜ、やられっぱなし、だったのか。じぶんのしあわせが、自分の目のまえで、割れて壊れる、おとを、まいにち、聞いたのか。なぜ、自分で自分を、助けられなかったのか・・・-:()。なぜ・・・・・・・。 なぐさめる言い訳を、自分で考えてみる。前世から、決まっていたのだ。宿命だ。 たとえ、そのおなじシチュエーションでも、シチュエーションは、おなじでも、しあわせになる、道は、あった・・・・・・。とか。 なぐさめに、なってるだろうか?
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