5-14 お風呂②
どうも焔です。お風呂に入ってグリードと赤裸々な話をしています。
「私が魔王になった理由は…皆を守るためなの。私のお父さんが前魔王だったんだけど…勇者と呼ばれていた人間に殺されたの…」
グリードは、昔を懐かしみながら話を続ける
「お父さんは、優しくて強くて威厳のある王だったの…それに、魔族は、今の生活に不満を持ちながらも楽しく生活していたの…だけど急に人間が魔族に襲われたと言い出し、魔族は危ないものだからと急に戦争を仕掛けてきて私のお父さんは王として前線で戦ってたんだけど焔のように異世界から召喚された勇者と呼ばれた人間に殺されたの。」
グリードの話を直訳すると人間の早とちりから大事に発展したらしいっていつの時代も人ってバカだなww
「まぁ俺の歴史にもあるように人間の早とちりからの大事は何回もあるし、もしかしたら人間というより勇者がクソな可能性もあるし一概に人間が悪いとは言えんがな。まぁ俺から言わせると人間も魔族も変わらんと思うがなww…でもそんなことがありながらも人間に復讐しようとしなかったのはえらいな」
俺は、無意識にグリードの頭を撫でていた。
撫でられたグリードは顔を真っ赤にしながらも、受け入れている。
「そう言えば焔は、この世界の事をRPG?だと思っているの?」
グリードの口からRPGと言う名前が出てくると思わず驚く
「ふぁっ…とビックリした。まさかこの世界でRPGって名前を聞くとはな。どうせ前勇者が口にしたんだろうな。トリマその質問の回答は50%50%だ。この世界は、現実で死んだら終わりだと思っているが、元から生きてること自体をゲームだと思っているから今グリードと風呂に入ってるのもエロゲや恋愛ゲーの混浴イベと思いながら楽しんでるぜ」
まともな話をしてるはずだが俺からするとまともな話やシリアスは似合わんからすぐにそっちに運んでいく。
「エッチ、でも焔が言うと昔の勇者がどんだけ最低な人間かわかった気がするわ」
「そりゃ良かった。んじゃ最後に、グリード今後お前は、どうする気だ?俺は、一度ベルスターに戻って魔王に会ったと言う話をする気だ。俺が見た限りお前は、人間を憎しんでいるというより人間という不条理な脅威から魔族を守ろうとしているとしか見えず、触れなきゃ無害だって感じたからそう伝える。」
俺の言葉を聞き、グリードは口までお風呂に入れ何か考える。グリードの頭では、今何をすることが最善手かを考えているのだろう。
俺も今後の事を考えるか、メインミッションである魔王討伐は、魔王の無力化ということで達成、サブミッションであった異世界探索は未達成だし追加ミッションであるだろう24の獣もまだ子・金牛と双子しかクリアしておらず他にも出てくるのだろう、そして一番のミッションは…・
「決めた。私も焔と一緒にベルスターに行って人間の王に会う」
「あっそならこれからもよろしくなグリード」
「よろしく焔」
俺たちは、握手を交わす。
「んじゃ必要なことは話終わったし、後は、何も考えずゆっくり風呂にでも入りますか~」
俺は、体の力を抜き溺れない程度に水に体を任せる。
「賛成~魔王の仕事でゆっくりお風呂で寛ぐことって殆ど出来なかったから~」
グリードもリラックス状態になっていた。
「へぇ~魔王の仕事ねぇ興味あるから聞かせてはくれんか?」
「愚痴話になるけどいいの」
「それは、面白そうだな、美女魔王の苦労劇ってか草生える」
「のぼせるまで話続けてやる。ついでに焔の話も聞かせてよ異世界での話とか。」
この後俺とグリードは、香蓮たちの乱入がありながらも日本での思い出話や魔王の仕事話、クレタでの生活など、この世界の俺たちにしか出来ない時代や世界の入り乱れた風呂談議が続いた。
「うぇ~気持ち悪い」
「頭がくらくらする」
「まだチカチカする~」
香蓮・グリード・アスが扇風機の冷風に煽られながら呻く。
最終的に、俺・グリード・香蓮・アス・日影・ヘングレ全員で風呂に入ったのだが扇風機の前でダウンしている3人以外は、ピンピンしている。
「甘いな、俺をのぼさせる筈が自分がのぼせるとはな」
俺は、浴衣から覗くグリードと香蓮の胸を弄る。
「うわ~焔動けない女の子を弄ぶ趣味があるとかさいて~」
日影がケタケタ笑いながら俺の事をディスる。
「いや~無防備なものがあれば弄りたくもなるだろ」
今度はアスの腹筋を撫でる。このパーティだと弱いアスだがその肉体は、結構鍛えられており腹筋もしっかりあっていい体をしている。しかも
「ちょっ主っやめっくすぐったい」
感度がとても良く反応が可愛いんだ。
「アスもぱっと見女の子だからギルティ、でもアスを弄りたくなる気持ちは激しく同意する。」
今後も俺らのパーティーの癒しは、アスになるのだろう。「
「はぁ~一通り堪能したし、馬鹿ども起きろ」
俺が手をたたくと緑色の光が出て、ダウンしている三人に降りかかる。
「ありがとう焔」
ダウンしている3人に状態異常回復魔法をかける。正直このままでも良かったんだがグリードに一つ聞きたいことがあったから治しただけだ。
「グリード俺たちと一緒にベルスターに来ることは構わんがその間魔王としての責務はどうする気だ?」
「それなら大丈夫、ドッペルゲンガーを使うわ。そうすれば情報共有しながら一緒に行けるからね」
グリードが当たり前のように言ったドッペルゲンガーとは魔法で自分を複製する魔法だ。能力としては、意思の疎通・情報共有・デコイなど多種にわたって使える便利魔法なのだが、もう一人の“自分”である為自分の嫌がることや色々任せすぎると主である自分の存在が奪わるリスクのある魔法だ。
「了解なら維持するための魔力を少し貸してやるか」
俺は、手に魔力を集め物質化させる。簡単に言うと純度100%の魔力石を創り出したのだ。
「ほらよ」
拳ぐらいの大きさの魔力石を投げ渡す。
「んじゃ、明日の朝飯後、出発だからよろしく~では、おやすみなさい」
「お休み主」
「お休み焔」
「ちょっ待って」
グリードが何か言っていたがガン無視し寝室に向かいベッドにダイブして睡魔に体を任せる。
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