2-3-3 コンボ型戦闘法・実戦編後編

 どうも焔です。現在変化した分身と対峙しています。


「14の数字…ってことはこいつも24の一体か」

「正解、そいつは14金牛のミノタウロスだよ、シヴァっていうよりインドラに近い感じの神格持ちだから頑張れ」


「GURYAAAAAAAAA」


 ミノタウロスが吠えるとミノタウロスの頭上に異様な威圧感が現れる


「なんだ??」


 俺がそちらに目を移すと遥か空に光るものがあり徐々にこちらに近づいてくる。

 数秒後光っていたものがミノタウロスの横に落下する。

 落下した時に出来た砂煙が消えるとそこには一般男性と同じぐらいの大きさのある雷のまとった両刃斧だった


「ミノタウロスに雷の纏った両刃斧…ラブリュスか!ってことはこいつ本物のミノタウロスかよ」


 ギリシャ神話のミノタウロスとはミノスの王子が先天性or後天性に牛の頭を持つ人間の怪物になったお話で、ミノタウロスを恐れたミーノース王が迷宮ラビュリントスを作り彼をそこに閉じ込めた。

 ミノタウロスを恐れた王は9年ごとに7人の少年少女を送らせた。

 ラブリュスはミノタウロスが捕らわれたと言われているクノッソスの迷宮の紋章として使われていた。

 そのためいろいろなゲームや小説でミノタウロスは両刃斧を持っている。

 またミノタウロスとなったミノスの王はアステリオス(星・雷光)という名がつけられていた。


「GRYUAAAYUYYAGAAAAA」


 考え事をしていると再度ミノタウロスが吠える。

 すると空から一枚の紙が落ちてくる

 その紙には

 タイトル:14:金牛宮の化身 ミノタウロスの試練

 挑戦者:日影 焔

 勝利条件1:ミノタウロスの討伐

 勝利条件2:真名を暴き掲げよ

 敗北条件:挑戦者の死亡


「ということで焔が望んでいた試練を受けてもらいたいと思います。

 勝利条件はどちらか一方をクリアすればいいよ。おすすめは2番目かな」

「望んでねえよバカ神、後で覚えておけよ」


 口では日影に対して愚痴っている俺だが頭の中ではミノタウロスに対しての戦略を考えていく

 勝利条件から考えると第一条件は純粋にミノタウロスを殺せばいいんだと思うんだが正直元が自分の分身だから殺すのは遠慮願いたいな。

 そうすると第二条件になるのだがド直球に真名を叫んだところでクリアになるとも思わねえし俺の知ってるミノタウロスとこのミノタウロスが同一人物である保証もないからそこからやらなきゃいかんしどちらにしろめんどいな

 とりあえず第二条件でクリアを目指し、無理だった場合のみ第一条件手ことにするか。


「どうであれまずは様子見の一発でも」


 俺は鎖に変化させていた球を手元にあるブラッドメタルと統合させながら二丁拳銃の形に変形させていく。

 ブラッドメタルは元からその形だったかのようにタイムラグなしに変形していた。

 俺は第一行程でやったように両手の拳銃に各魔法を付与した弾を発砲した。

 弾を撃ち終えた俺は影潜りを使い着弾と同時にミノタウロスの足元から現れ拳銃だったブラッドメタルを変形させたナイフで右足の腱を切ろうとする。


「GYAAAAAAAAAA」

「ンなバカな」


 ミノタウロスが吠えるとそれが衝撃波のようになり弾を防ぎ、俺が足元から初めから知っていたかのように左足が上から迫ってきていた。


「ふざけ」


 俺は愚痴りながらブラッドメタルを盾に変形させ迫りくる左足から体を守る。


「おもてぇ」


 盾越しに俺を踏みつぶそうとするミノタウロスの左足はどんどんと力が増し盾を支えている腕からミシミシという音が聞こえる。


「糞が」


 暴言を吐きながらファイヤーボムをセットしながら影潜りを使い一番初めに居た場所から出てくる、影から全身が出る最中でミノタウロスの足元から爆発が起き砂埃が起きる。

 砂埃が立ち込める中俺は二つの輝くものを見、迎撃態勢をとりながら今の一連の攻防の反省をする。

 まずミノタウロスが思った以上の強敵だったことだ、正直さっきの攻撃で足の腱とまではいかずとも怪我だけでもさせられると思っていたがダメージとなりえそうなのが逃げる時に使ったファイヤーボムだけだ。実際あれ自体攻撃ってよりは目暗ましで考えてたため威力はそこまで高くないから無傷だろう。

 そんなことを考えていると


「GAAAAAAAAAARYUUUUUUUUU」


 砂煙をも吹き飛ばす勢いでミノタウロスが突進してくる

 牛のような頭から伸びる角は蒼い雷を纏っており殺意がひりひりと伝わってくる。


「雷光の名は伊達じゃねえな」


 俺はミノタウロスとの間に日影の時と同じように瞬歩の応用である距離の壁を生成した。

 ミノタウロスがその壁に衝突すると、ミノタウロスは急に動かなくなったそれはそうだ日影の時もそうだが目で見る点では目と鼻の先だが物理的距離でいうと約1kmぐらい離れているしかも現在進行形で離れている


「そのままで居ると最悪死んじゃうよ」


 俺は呑気にそんなことを言いながらブラッドメタルをハンマーの形に変形させる所謂○トンハンマーの様な打つところが丸く平たいハンマーだ。


「それじゃあいくぜ…どっせい!!!」


 ハンマーを勢いよく止まっているミノタウロスの頭めがけて振り下ろす。

 ドンッと言う鈍い音とともにミノタウロスの頭に当たったハンマーは余力で蒼雷のまとった角を折る。

 ミノタウロスは地面に伏し動かなくなる


「焔、討伐しちゃったの??」


 日影はニヤニヤしながら伏しているミノタウロスを見、聞いてくる


「そんな訳ないだろ少し気絶してもらってるだけだあの武器に一撃の殺傷能力はそこまでない」


 あのハンマーは中にバネのようなものが入っており相手に当たるとバネの力で相手の脳を揺らすようになっており殺すというより気絶などの行動障害能力を重視したものだ。

 実際問題即席で考えたオリジナルの武器だから日影が聞いてくるもの無理はない


「ではクリアでもしますかな」


 俺はミノタウロスが呼び出して未だ使われていないラブリュスのほうに行き、ラブリュスを手に持ち掲げた。


「ミノタウロスお前の真名は“アステリオス”だ。もっと正確な言い方をするとお前はミノタウロスの神格を身体に宿したただの人間だ。」


 俺の回答の是非を確かめるかのようにラブリュスが光りだしミノタウロスの体の中に入って一段と大きな光を放ち消えた。

 其処に残っていたのは褐色灰色の髪をした青年と手のひらサイズのラブリュスだった。


「これはクリアでいいのか??」


 俺の疑問に答えるようにミノタウロスの試練の内容が書いてあった紙に変化が起きる。


 タイトル:14:金牛宮の化身 ミノタウロスの試練

 挑戦者:日影 焔

 勝利条件1:ミノタウロスの討伐

 勝利条件2:真名を暴き掲げよ

 敗北条件:挑戦者の死亡


 只今14:金牛宮の化身 ミノタウロスの試練のクリアを確認しました。

 達成された条件が2のため報酬として金牛の神格とミノタウロスの使役権を贈呈し

 ます。


『「能力:金牛」と「ミノタウロスの使役権」を取得しました。』



 鑑定結果

 名前 金牛

 分類 能力

 解説 24の中の14である金牛の神格及び一部能力の取得

 特殊効果 俊敏性上昇 雷魔法威力上昇


 鑑定結果

 名前 ミノタウロスの使役権

 分類 権限

 解説 24の中の14である金牛の化身ミノタウロスの使役権、何時何時でも召喚可能

 特殊効果 全ステータス上昇




 名前 焔

 年齢 17歳

 種族 半神(人間)(♂)

 LV.309


 スキル 魔力操作Lv.10・全魔法Lv.10(火・水・風・土・雷・氷・聖・邪・時・空間・回復・防御)・幻影術Lv.10・剣術Lv.10・詠唱破棄・魔力節約・鑑定Lv.10・限界突破Lv.2・不可視・縛りプレイ甲Lv.1・リミットブレイク・マップ


 能力 金牛・破壊・「???」


 使役 ミノタウロス


 称号異世界人・巻き込まれ・賢者・突破者・自称神の加護・どM・シヴァ神の試練攻略者(仮)・神格保持者・性犯罪者・金牛の試練突破者・???


 ステータスに新しく能力の項目が増えていた。

 見る限りだと24に関係するものが入るのだろうまたは自らの神格となり自然と扱えるものだろう。

 逆に個々のステータスが消えていた。


「日影、俺のステータスからHPとかの個々の数値が消えたんだが」

「あぁそれね。なんか数値化する意味なくねってなって焔だけ表示するの辞めた」


 日影が額に汗を掻きながら答える…何か絶対裏がある。


「本音は??」

「焔にステータスとか要らなくない、死なないしどうせ」

「ギルティ」


 何時ぞやのコチョコチョ触手を日影の影から産み出し日影の足に絡まる


「俺あれ意外と好きだったんだぞ、実感わかないけど成長してるんだなって思えて…それを奪いやがって覚悟しろアステリオスが起きるまでずっとそのままな」


 俺が指示を出すと足に絡まっていた触手がどんどんと上のほうに上っていく足から脹脛・太もも・臀部・お腹・胸・首へとどんどんと這いずっている


「んっにゃぁ…待って‥ひゃうアステリスが起きるまでてあはは酷くない」


 這いずるだけでもくすぐったく気持ちが悪いのだろう驚いたような笑ったような声を出している。


「知らんまぁ俺が目のやり場が困ったりなんか危ないと思ったら止めてやるからファイトだよ。そういうことでお休み」


 これまた何時ぞやの様に水で枕を作り横になる。今度は魔力量による疑似タイマーではなく空間魔法の空間把握を使いアステリオスが起きた時か日影がヤバい時に魔法が切れるようにしてあるから万が一はない


「寝ないで焔、あははははたしゅけてひゃぁよぉ~」


 日影の悲鳴を子守唄に意識を手放す


 焔が規則正しい寝息を立てている中、日影は触手のコチョコチョに耐えていたが


「もう無理‥えい!」


 耐えきれなくなったのか体に雷を纏い触手を焼いた


「ふぅ~しんどいも~焔は何時も何時も私を虐めて何が楽しんだか」


 日影は一人憤慨していた。

 そのため自分が焼いた触手がまだ動いていることに気付いていなかった


「大体前回触手プレイ(コチョコチョ)されたとき焔完全に私のことをそっちの目で見てたのになんで襲わないのえっちぃのはダメって言ってるけど少しぐらいなら許すのに焔の意気地なし、変態、性はきゃぁぁぁぁぁぁ」


 日影が寝ている焔の愚痴を言っている途中で再生した触手に再度捕まった。しかも今回はなぜか電気を帯びまた今までとは違う何かアブナイ雰囲気を醸し出していた。


「えっちょ‥待って焔起きてるのねぇなら止めさせてなんかこのままだと私の貞操がアブナから」


 日影は触手が醸し出している雰囲気がピンクなものと理解し寝ているはずの焔に助けを求めている。

 ネタバレすると焔はガチで寝ており触手が暴走した理由は日影が電気で焼いてしまったせいで焔の指示が消え疑似的な魔物と同じようになっていた。

 唯一触手が覚えていたのが日影を凌辱することだけだった。


「イヤーーーー」


 電気の帯びた触手が胸の頂にあるボッチに当たりそうになった時触手が爆発した。


「おい魔物俺の日影に何手を出そうとしてんだ殺すぞ」


 片眼をこすりながら爆発されながらも動いている触手を睨みつける


「焔のバカ~すごく怖かったんだよ」


 日影は涙目になりながら俺のほうに来る


「どうせお前が触手から抜けようとして暴走でもさせたんだろ。自業自得だ諦めろ。」


 まだ少し寝ぼけてはいるが状況が理解できないほどでは無い

 現状を説明すると触手と俺が対峙しており触手の殺気がビンビンと感じれるぐらいには触手がキレてるってところかまあキレてるのは触手だけじゃないんだがな

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