言語の壁
「留学体験談」の中でも、多く語られているのが、現地に行って「言語の壁」を感じた、というものだ。
私も、渡英する前は英語漬けの毎日を過ごし、自信を持って日本を出発した—はずだった。
ヒースロー空港から、派遣先の大学へ移動し、フラットメイト(イギリスでは、1人部屋が主流なため、ルームメイトとは言わない)と顔を合わせ、私のイギリス生活が始まった。
授業のオリエンテーションに参加するため、フラットメイトと、大学まで一緒に行くことになった。
フラットメイトは、アメリカからの留学生だった。
部屋を出てから、キャンパスに着くまで、一言も会話できなかった。
今考えてみれば、英語を使える貴重な機会をみすみす捨ててしまったのかと後悔が残る。
しかし、当時の私は、「会話のネタ」を探すのに大変苦労していた。
日本にいる間、どれだけ英語力をつけたとしても、話すネタがなければ、その力を棒に振ることになる、と身をもって痛感した。
自分の英語力に対する不甲斐なさに、何度涙したか、、
しかし、涙しているだけでは、状況は変わらない。
それから私は、どんどん外に出ようと考えた。部屋を出て、何でも一人でやってみようと。
そうすることで、友達もでき、自然と英語が話せるようになっていった。
「言語の壁」は超えられない。と言うが、私は超えられると思う。
何か相手に伝えたいことがあれば、多少文法が間違っていても、拙い英語でも、ジェスチャーで会話していても、相手は理解しようとしてくれた。
あの時の涙は決して無駄ではなかったと、今でも強く感じている。
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