04 勇者の腰巾着様


 ある日、主人公である烈火のいるクラスが、クラスごと異世界に転移した。

 烈火のクラスは、召喚された国、ラルシエル国の地下にある莫大な資源と災害を振りまくダンジョンを、攻略するために召喚されたらしかった。


 だが、他の者はやる気を出してダンジョン攻略に臨むものの、烈火はさぼってばかりだった。


 そんな様子で日々どこかに行方をくらませる烈火だが、クラスの中で、絡みづらい不良と言う微妙な立場もあってか、誰も気にする事は無かった。一人を除いては。


 その人物の名前は、龍斗。


 クラスどころか学校一である優等生、勉強・運動共に成績優秀、礼儀正しい龍斗は、なぜか烈火の事を事ある事に持ちあげて、評価していた。


 召喚された後もそれは変わらず、高い能力の竜斗は勇者だともてはやされていた。


 そんな龍斗が劣化を気にかける理由とは何か。

 それは幼い頃、龍斗がどうしても解決できない問題を、烈火が簡単に解決したからだった。


「君はやればできる男だってことを、僕が知っている」


 そんな中で、烈火はさぼっていた下町にて一人の少女とであう。

 ダンジョンでの一獲千金を夢見て、一人で向かおうとしていた少女。

 病気をした妹の為に薬を買おうとしていたという少女を前に、烈火は変わり始める。


「何もできねぇ腰巾着でも必死になりゃ一人くらいは救えるってっ事を証明してやらぁ」



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