お坊っちゃま君

不動産業 2代目社長

独身 たまに来店


彼は最近来始めたお客様です

親の不動産業を継ぎ

社長やってます


彼は私の事が嫌いらしい

なので私とはあまり話さない

ママとばかり話している


実はね

私が嫌われたエピソードがあるの


それは初めてのご来店の時でした

ママと彼は仕事上で顔見知りだったのですが

私は初対面


小太りで背が低く

スーツがヨレヨレで何となく似合わない…


カウンターが嫌いらしく

box席に1人で座った

box席なので仕方なく

私も一緒に座りお酒をご馳走になっていました


彼はつまみに梅干しをたのんだ

ママが一粒持って来たら

丸ごとペロっと口に入れた


自慢じゃないが

うちの梅干しはデカい

直径4㌢はある


それも甘味は一切なく かなり酸っぱい

一粒で焼酎5杯は飲めそうな位すっぱい

お値段一粒500円ですが

お客様には大人気です


それを一口で平気な顔で食べている


『うんうまい

ママ 10粒位出して』


えぇぇぇ~

10粒も……


ウイスキーを飲みながら

やはり丸ごと口にほおりこむ…

アッと言う間に

種が5個…


うぅぅぅぅ~

すっぱい

見てるこっちがよだれジュルジュル

そんなに食べて大丈夫か?


それに飲みペースが半端じゃない

梅干しで喉が乾くのか知らないが

5分もたたないうちにグラスが空になる


もはや

ワンコ蕎麦そばならぬ

ワンコ酒状態


あまり話しも出来ないし

何か話さなくちゃ

手っ取り早い年齢の話しにしよう

わざと若く言って気持ち良くさせてあげなくちゃね


「歳お幾つ何ですか?」


『何歳に見える?』


大体自分が若いと思ってる人は必ずと言っていい程自分の歳を当てさせます


ん~

どうしよう

わ…わからない…


いつもなら大体わかるんだけど

この人はわかりずらいぞぉ

童顔なのか?ふけ顔なのか?


まぁいいや

見た目はどう見ても35歳前後だから5~6歳若く言えば

間違ったとしてもズバリ当たり位だろう


「え~とお肌若いし30歳位かな?えへっ」

『…』

「な~んちゃって嘘でーす!28歳位?」

『…』


やばっ

明らかに気分慨してる


「ごめんなさいな何歳ですか?」

『言わない』

「そんな事言わずに教えてくださぁい」

『嫌だ教えない』


こうなると無理矢理にでも聞きたくなってきた

ってか 男なら少し位

年上に見られたって笑って流せよ


社長やってんだからその位に見えた方がハクが付いていいじゃん

などと 自分勝手に言い訳をしてしつこく聞く私


「いいじゃないですかお・し・え・て」

すると…大声で

『言わない言わない教えない教えない言いたくない』


子供の様に足で床をドンドン!させながら

マジ切れしました


それを聞いてたママ

「あんた確か22歳だよね」

追い討ちをかけた…


何だって!

22?ぜってー見えない


『ママ梅干しあと5個 出して』

ヤケ食いか?

合計15粒の梅干しペロリンコ


それ以来店に来ても私とは話してくれなくなりました


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