③④ <これも本心>

 悪気があった訳ではないけれど随分とへこませてしまった。


「それじゃあ勝手に付き合ってるなんてことになってたら迷惑だったね」


 車に轢かれた眼鏡の如くぺちゃんこになっている眼鏡。軟体動物的に形を変えることができるんですね。とか、眼鏡型宇宙人の新たな生体について知れて感動していたけれど、さすがに罪悪感にかられます。


「わたしとは性格合わなかったけど、生徒会長は元々モテモテじゃないですか。それに、普段は色んな人に気配りもできて、学校の仕事も何気にちゃんとこなしたり、学力だって学年トップだって聞きましたよ? それってすごいことじゃないですか。わたしにはそんなことできません。それに学校のみんなは会長のリーダーシップに助けられてると思います」


 若干形が立体に戻る眼鏡。


「それに正体を明かされるまで宇宙人だなんて気が付きませんでしたし、周りの誰よりも人間的な人だなって思ってました。それって地球人に化けるためにもとても努力したってことなんじゃないですか?」


 そこまで言い終えるとやっと沈黙の中、泣き止むように眼鏡の形状が完全に元に戻っていきます。生徒会長の性格は彼氏にするには受け入れがたいものがあるけど、今言ったこと全ても本心ではあるんですよね。

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