②⑥ <追い打ち>

「あー長人ーいいところに」

 眼鏡のまま喋る生徒会長の眼鏡。わたしは咄嗟に駆け戻り、生徒会長の肩を掴んで大きく揺さぶりました。


「そういうことって隠さなきゃいけないんじゃないんですか?!宇宙人だなんて!」

小声で抗議するも会長の眼鏡はさっきと変わらない声量で「そうだよ。隠さなきゃいけないよ?」と言います。

「じゃあ、その優秀なポッドで喋らなきゃ駄目でしょ!電池でも切れたんですか?!交換したげますから!」

「いや、ただ、一旦電源落としたら入れるのがめんどくさかっただけ」

「だから!」

 わたしの必死の説得も虚しく、副会長がわたしの肩に手を掛けました。ガラスのように涼しい顔のまま。


「俺も宇宙人だから気にするな。それに鏡のだらけ癖はいつものことだ」


 ……このときわたしの中の何かがガラスのように砕け散る音がした。

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