「わかりました。この書類は渡しましょう。ただし、一つ条件があります」

　わたしが書類を机の上に置くと、怯えた様に生徒会長はゴクリと生唾を飲む。

「その眼鏡……」

「この眼鏡……？」

「拭かせて下さい！というか磨かせて！その縁の方にティッシュクズみたいなのとか繊維が付着してるのが気になるの！！」

「どんな視力？！顕微鏡！？」

「経験です！」

　今考えればこの行動がのちの悲劇の始まりだったのです。

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