電脳少女

第一部 運命

第1章 プロローグ＆Overture

プロローグ

1999年。雪原明日香が産まれた。体重は平均よりもやや太っていた。母である雪原なつみと父である雪原大造は第1子の出産を喜んでいた。しかし、その5時間後、母であるなつみが死んだ。原因は元々弱かった身体が、明日香を出産した事で限界を感じた事による衰弱死だ。大造は妻の死に深く悲しみ、明日香が2歳に成長するまで明日香にとっての祖父母の少しの助けを得ながら、一人で育ててきた。そして明日香が2歳の誕生日を迎えた１ヶ月後、鈴木圭織と大造は結婚した。雪原圭織となった圭織は、明日香に対しやや過剰で異常な愛情を抱えながら育てた。しかし、その3年後大造と圭織達家族は、明日香を除いて無理心中により死を迎えることとなる。その後、明日香は野川裕子・輝良夫妻により育てられることとなる。