源三郎江戸日記(弟二部)9 提灯を照らして進んでいくと、繁華街を過ぎて武家屋敷に差し掛かると、暗闇に人がいるので提灯を投げつけるとパッと火がつき、大勢が姿を現したので、主席家老村上


源三郎江戸日記(弟二部)9


提灯を照らして進んでいくと、繁華街を過ぎて武家屋敷に差し掛かると、暗闇に人がいるので提灯を投げつけるとパッと火がつき、大勢が姿を現したので、主席家老村上源三郎と、

しつての狼藉じあな、上杉紀正に紀敏じあな、お家を潰すつもりかと言うと、お命頂戴すると言うので、火種を炸裂弾の導火線につけて二人が投げつけると、どか~ん、どか~ん、

と音がして真ん中で爆発して、


数人が吹っ飛んだのです、さらに後ろからも投げ込まれどか~ん、どか~んと音がして更に数人が倒れたので、いくぞと言うと真ん中に切り込み、後ろからは源信とお蝶が襲うと、

次々に切り伏せられて転がったのです、数人が残ったのでさあどうすると言うと、4人が慌てて横に走って逃げさったのです、そこには16人が転がり、傍の屋敷から藩士が出て来、

たので、


主席家老の村上源三郎じあ、目付けに取り方をつれて参れと言うと、ハッと返事して走って呼びに行ったのです、目付けが駆けつけたので事情を話し、キズの手当てをしてやれ、

息絶えている者は家族に引き渡すのじあと言うと、そのほかの者はキズの手当てが済んだら、牢にいれておけ、なお全員の名前を報告するのじあと言ったのです、源信が戻って、

来て、


4人は上杉正行の屋敷に逃げ込みましたと言うので、よし行くぞと言って正行の屋敷に向かったのです、開門と言うと門が開き、正行が出て来たので、紀正と紀敏が逃げ込んだで、

あろう、そこに案内せいと言うと、ハツと言って案内したので部屋に入ると4人が座っています、わしを闇討ちしょうとはどういう了見じあ、さあ、かかって来いと言うと、恐れ、

いりましたと頭を下げるので、


これでわしの腕がわかったであろう、本来なに斬首だが500両づつ勘定方に、納めれば殿には内緒にしておいてやろうと言うと、それで済むので御座いますかと言うので、最初の、

200両を入れると二人は700両づつじあ、正午までに持ってこい、誰かに借りてもいいぞと言うと、必ずご持参しますと言うので、怪我した者の治療費と死んだ者の供養代もだぞ、

と言うと、


ハハ~と頭を下げたのです、襲った者で生きている者は牢に入れてある、あした処罰を言い渡すと言ったのです、正行殿よく加担されなかったと言って屋敷を出て自分の屋敷に、

戻ったのです、源信とお蝶に住家は見つけたかと聞くと、ハイ、城下の町屋を手に入れましたというので、当座の費用じあと50両渡したのです、おタミに酒と肴の支度をさせて、

みんなはどうしたと聞くと、


近隣なので帰った者と、親類のいる者はそこに泊まるそうですと言うので、そうかと言うと、とても喜んでいましたよと言うので、金寸はしめて2千両を調達してきたぞと言うと、

驚いています、お峰が一門のサイフを絞ればまだまで出てきそうですねと言うので、打ちでの小槌じあのうと笑ったのです、源信が火薬の量を少なくしておきましたので深手を負、

ったものはいないでしょうと言うので、


そうかそれなら罰に働かせられるなと言うと、何にお使いでと言うので、橋やがけ崩れの賦役で許してやろうと言うと、又安くて済みまするとお峰が言うので、逆らえば逆らう程、

倹約が出来る訳じあと言ったのです、翌日は出仕して昨日の出来事を治憲に話すと、怪我はないかと聞くので戦支度しております、何処にも怪我はありませぬと言うと、主席家老、

の差配通りで良い、


一門も思いしったであろうと大笑いしたのです、藩士がみんな集まったと言うので、大広間に行き治憲が座ると、それでは財政改革を申し渡す、仔細は主席家老より説明すると言、

うので、源三郎がまずは新田開発である、これは藩士の希望者にやってもらう、新たに出来た新田は開墾した者の物とし、年貢は永大2分とする、馬、すき、くわ等の道具は藩が、

支給する、


開発資金は藩がおのおのに貸し出し、米がとれるようになったら100年の分割で返せばよい、出来た新田は自分で作付けするもよし、近隣の百姓に手伝ってもらっても良いが、必ず、

藩が決めた給金を払うものとする、何か聞きたい事があれば申すが良いと言うと、武士が田畑を耕すので御座るかと言うと、兵農分離は信長公からやられた事でありそれ以前は武士、

も田畑を耕していたのじあ、


武士が田畑を耕しても何も恥じる事はない、強制ではなく希望する者にやって貰うのだ、いやならやらなくても良いと言ったのです、他にはと聞くと開発場所は何処でござるかと、

聞くので専門家に調べさせてある、申し出て好きなだけ開墾すれば良い、灌漑設備は藩が行うと言ったのです、他になければ次の改革だが、わしの直属に物産会所を作り、焼き物、

織物、堅の木、桐の木による工芸品、お茶を作り江戸にて商いさせる、


物産会所には藩士の家族と隠居した者が集まり、専門家の指導を受けて作るのじあ、専門家はもうじきこの米沢に来るであろう、粘土、堅の木、桐の木、茶の葉は百姓から買い上、

げる、商いは廻船問屋玄海屋が引き受けて江戸の他、出店で商いさせる、御隠居様は焼き物。奥方様は木彫りを練習しておられる、みなも見習うのじあ、又冬になれば米沢は雪深、

く外では仕事は出来ぬので、


物産会所で雇い給金をだせば暮らしもよくなるだろう、半年は雪に埋もれるので良い副業になると言って、あくまでも希望者のみで行うのである、この開発資金に2万両程用意して、

ある、順調にいれば投資を増やし、米沢15万国は30万石に匹敵するようになるであろうと言って、希望者はわしの部屋に来るが良い、石高は問わぬぞと言ったのです、以上がとり、

あえずの財政改革案であ、


なお希望者の中から目付けを50人に一人選び、他の者が邪魔をせぬように見張らせる、一門といえども邪魔するものは厳罰に処すると言ったのです、治憲が今主席家老が言うた通、

りである、こころして財政改革に協力せいと言うと、御座所を下がったのです、それではみなの者は退席するのじあと言って、勘定奉行の部屋に行くと、一門の方から2000両の、

寄進がありましたがと言うので、


ありがたく貰っておけ、その中から1000両を補修に直ちに回すのだと言って、郡奉行を呼びそなたが直接名主達を訪ね、要求通りわたすのじあ、目付けを呼んで、昨日の者共はと聞、

くと、これがその者達の名前、石高に御座いますと言うので、郡奉行に預ける、傷がいえたら、今回の補修の人足に使うのだ、刀は持たせるな、百姓と一緒に働かせろ、これが罰で、

ある、


監視する役人を派遣しろ、役人は百姓には手出ししてならん、この者達を監視する為に派遣するのだ、石高が高くても関係ない、その工事が終るまでは、お役ごめんじあ、終ったら、

役目にもどせ、藩士、郎党にかかわらず、又一門の倅でも関係なしじあと言い、言う事を聞かずば切腹じあと言い聞かせろというと、郡奉行がハハ~と言って千両箱をかっいで部屋、

を出て行ったのです、


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