-賃貸屋の長期休暇、海へ行こう⑥‐

東の大陸では、世界で禁止されている人類同志での殺人行為、殺戮、戦争を今だに行っている、俺たちは隣国と戦争を開始したエインヘイム帝国からこの中央大陸に渡り、中央大陸にある王都リ・ワールドへ向かうため港町イスルスへやってきた…しかし


「脱国をしてきたが…もうお金がないわね…」


「ああ…僕たちはもう国には戻れない…戻ったとしても脱走兵として処分される…」


「偽名でギルド登録できるかな…帝国がオイラ達ごときで手配書をだすとは思わないけど…」


「…」


一緒に脱国してきた4人が話している、煙草を吸う日に焼けた肌に紫髪の女と口元の傷が印象的な屈強な青年、そして元農夫で田舎から徴兵された小太りの男、薄汚いマントで顔を隠した無口の魔導士…


「とりあえずいくしかねーだろうな、お前たちはどうする?」


俺がそう問いかけると


「私は最悪、体でも売るさ…親に売られて、売られた先が風俗だったからね…逃げ出して、逃げ出した先からまた逃げ出して戻るとこに戻った感じよ…」


「僕は冒険者にでもなるさ…体売るぐらいな僕といかないか? 」


女を口説き始める傷顔


「お、オイラは農業に戻るさ! どうにか働き口を見つけて…」


「…」


農夫は苦笑まじりに答え、マント野郎はいまだ無口だ…


「どっかに金でも落ちてねーかな…近いといっても歩きじゃ1日はかかるぞ王都」


傷男がそういう、その手にはしな垂れる褐色の女…なびいたのか…


「そう簡単に落ちてるかよ、行商人でも脅して王都までの荷馬車に乗るか」


俺がそう言うと


「脅すなんてそんな! オイラは反対ですよ! 」


「……ワシはどちらでもいい」


「どうするの? 話が決まらないなら私達だけでも王都へ先にいくわよ? 」


小太りの男が反論してきたが、驚くべき事にマントの男が返事を返してきた。

カップルなり立てなのはいいが若さづくりしてもそんなに若くねえだろ…青年は気づいていないのかステータスが見れないのか? 17と33、2倍だぞ? まさか年上好きかなんかなのか?

俺たちは口論しながら港から離れ、武具や装備が売られる商店街、テントや店が並ぶ場所へと足を運ぶ…

そして俺の目には魔道具屋で商品を見ている女4人、男1人の5人組が目に映る…


「おい…あれ見て見ろ」


「どれどれ? 」

「そんな腕を引っ張らないでくださいよ」

「あの方々がどうしたんですか?」

「……」


俺たちが5人組を見ていると、店員に大金貨3枚?…それだけの買い物をしたのかステータスが年齢ぐらいしか見えねーが…実力があるようには見えない普通の女だが…


「金羽振りがいいようだな…」


「いいわね~苦労をしらなそうな女ね~エルフと獣人と女の子と…あらいい男」


「もう浮気ですか?」


「もう~ちがうわよ~であれがどうしたの?」


「そうですよ! 早く王都に向かいましょう! 」


「……襲うのか? ならワシが感知阻害を掛けるぞ」


話が早い、マントの老人が魔法を小声で詠唱し始める、マントの中で魔法光は見えない、小太りは慌てるが傷顔と女は乗り気なったようだ


「いくぞ…」


口論をしてる男と女、その後ろの3人の尾行を開始する俺達と慌てて追ってくる小太り…邪魔だ…置いていくかと思っていると路地の方へ消えていく5人組、バレたか? …いや好都合か、人通りから離れてもらったほうが襲いやすい、時間差をつけて路地へいくとさらに人の居ない方へ行く…チャンスだ


「…いまだ! 襲うぞ」


「「「「……」」」」


気配を殺しながら口を閉ざし、少しでも音を出さないように駆けだす俺たち…5人組が消えた道へ行くと




--------


私はアキトと口論しながらも念話で追手をわざと誘き出す話をし、人がいない襲ってきやすい場所へと誘導する…追手の4人…5人はこちらの思惑通りに路地へと入ってきた。


「店長そろそろ来ますよ」


「イズミやりすぎるなよ? 」


「私が戦う前提なんだ…たまには格好いいところ見せてくれてもね…」


私達を尾行してきた奴らがやってきた…黒髪に金のメッシュを入れた平たい顔の男と口元に傷がある青年を先頭に紫髪の女…マントを羽織った薄気味悪い老人…と出遅れて息も耐え耐えの小太りの男


「バレていたか…」


「ええ…店主に支払いをしてた頃からね、威圧していたわよ? 」


「まだまだ俺も素人という事か…さて…解ってはいるとは思うが金をだしな!! 痛い目みたくなければな!」


男がこちらに剣を向けて言ってくる、傷顔の青年は槍、紫髪の女が弓を構え、そして老人が魔力を込めていくそして小太りは…隅で怯えて座り込んでいる、あれは無視。


「クロード! ヒナタ! 」


私はこの場にいない二人に呼びかける…フィンの精霊魔法で姿を消していた二人が襲撃者の後ろから現れる、彼らは急に現れたヒナタとクロ―ドに慌て、紫髪の女がヒナタに向かい弓を穿つがクロ―ドが突き出した手で弓を掴みへし折る


「え…うそでしょ弓を掴んで!…カフッ」


クロ―ドはそのまま女の懐に入り込み重い一撃で意識を刈り取る。


「お嬢ちゃん過激だね~これでも食らうといい」


マントの老人がクロ―ドに向かいファイアランスを放つが今度はヒナタが魔力を込めた拳で相手の魔法ごと老人を殴り飛ばす!


「クロは男の娘だ!!」


「いや男だよ?! 男の子だからね!!」


さて…二人撃破と…槍の青年が険しい顔でクロ―ドに向かっていくがそれと同時にメッシュをいれた男がこちらに向かって剣をふるってくる。


「鋭い斬り込みね…4人の中で貴方が一番手練れそうだけど」


「これでも転移者のはしくれだからな!!」


片手で持った剣で斬り込んできた直後、すぐさま切り返しで顔を狙ってくる、私がそれを避けた直後、背後に隠されていた左手に魔力光…


「フィン避けなさい」


私が言い放つと同時にフィンに向かい炎球が飛ぶ炎撃魔法ファイヤーボール、空気を燃やしながらフィンの方に飛んでいくが途中で切り裂かれ掻き消える…アキトが自身の愛剣デュランダルで切り裂いたようだ…ダンジョンのリーナ王女から貰ったものだけど…ありがちな名前よね…


「今の攻撃も塞がれるか…お前たちいったい何者なんだ? 獣人にやけに強い男の娘、エルフに転生者、転移者か? 」


「そうね~賃貸屋一同+ニートよ」


「いや…せめて冒険者と…」


「冒険せずにギルドや私の店にいるだけの男はニートよニート」


「あ…はい」


剣をしまいながらアキトが反論してきたが黙らせて私はメッシュの男に目を向ける。


「貴方たちお金がなくこまっているようね…ここら辺では珍しい」


「ああ…ここからは東の大陸から船で渡ってきた…」


「東…脱国でもしてきた? あそこはまだ無駄な戦争や殺戮をしているの…」


「そんなわけで羽振りのいい女がちょうどいたわけだ」


喋りながらもこちらに攻撃をしてきたが、私は剣を掴みへし折る。


「これで武器も壊れた、降参しなさい」


「結構本気でやったが…降参だ…好きにしろ…」


「じゃ~はいこれ…これで王都にいってちゃんと真っ当に働きなさい、ギルドにも話を通しておくから…てかギルマスいまこの街に来てるし…」


私は金貨と銀貨を入れた袋を5つ手渡すと、メッシュの男は信じられない顔をする…


「まー貴方もまだまだ実力を隠しているようだし、フィンにはなった魔法も当てるようには打ってない、王都までの足代と当分の生活費はいれてあるは…王都にいったら北の大陸について王城に報告して頂戴、その情報料と思って受け取ってくれる?」


男は苦笑いしながらわたしから袋を受け取るクロ―ドとヒナタがこちらを見ていたが笑顔を向けると道をあける。

ヒナタとクロ―ドにボコボコにされていた傷顔の男もやられてはいたが意識があるようだ…小太りの男が老人を、傷男が紫髪の女を抱え歩き出すそしてメッシュの男が


「いつか、かならず返す」


「ええ、待ってるわ!」


私は軽く手を振り彼らを送り出した…さて


「お腹もすいたしお昼にしようか? あとヴォルフの方にもいってみましょうクロ―ド場所わかる?」


「なんどか来た事がありますので大丈夫ですよ? あと…着替えていいですか? さすがにこの格好で…」


スカートを摘まみながら言ってくるがもちろん却下だ、クロ―ドが頭を抱え項垂れる


「てんちょ~てんちょ~魚介類もいいけどお肉も食べたい! お肉!! 」


私達は壊してしまった床や壁を修復し、ギルド支部へ向けて歩き出した、メッシュの男とは王都ですぐ会うような気がする…あとは東の大陸か…嫌な思い出しかないな、アキトの方をみると同じような顔をしている…





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