第72話 サプライズ


普段アタイが愛用してるパープルのちゃんちゃんこがあんだけどさ サプライズって感じでダチが来た時にあげるつもりで色違いの赤を買っておいてやった


でもあえて誰にも連絡はしねぇで アタイの家に一番最初に遊びに来た奴にあげる事にしたんだよ


でないとサプライズが成立しないからねwww


それに下手に連絡なんてしてたら 翌日には玄関前で行列になっちゃうのは分かりきってるし それを見た近所の連中も意味分かってねぇのに紛れて並んじまうかもしんないからねwww


てか今日になってようやくサプライズが実現した


1ヵ月も前から用意してあんのに今日になって実現するとか どんだけこの家は人気がねぇんだよwww


デブ小松なんて出勤のたんびにサドルのねぇチャリに乗ってアタイ家の前を通ってんのにね


そんでちゃんちゃんこは今日来てくれたリサにあげることになった


サプライズだったからもちろん内緒にしてて リサが部屋に入ってくるなり この日のために用意しておいたクラッカーを思いっきしぶっ放して祝ってやったwww


そしたらリサがめっちゃ驚いてテーブルに足をぶつけて痛がってたけど アタイそんなの気にしねぇタイプだから すぐに話題を変えて『お前 マジおめでとう』って言ったやったよ


それを聞いたリサが『おめでとうってなに? 妊娠とか別にしてなかったはずだけど・・・』って返事してきて


アタイが『そこにかかってるちゃんちゃんこあるだろ? お前に1つやるよ』って伝えたら『えっ!? マジで~ てか妊娠とかしてないけどいいの?』って言ってくるから 普通に『いいよ 別に気にすんな』って言っといた


リサが『おめでとうの意味が分からないけど 気にしないでもらっておくね♪』っ喜んでて すぐにちゃんちゃんこのとこに向かってったんだよ


でもなんか動きが怪しいからすぐ後ろをついてったんだよね


そしたらやっぱりだよ


あいつアタイが愛用してるパープルのほうへ手を伸ばしやがるから『おい コラ!』って注意してやって『お前はそっちの赤いほうだろうが ルールくらい守れよ』って言ってやったんだよ 


リサが『えっ! 私パープルのほうがいいんだけど』って不満そうにしていやがって それはアタイが愛用してる奴だってきちんと説明したら リサの野郎テンション下がってたwww


アタイが『とりあえず着てみろよ お前のラッキーカラーは赤って決まってるんだし それ以外の色に何かを求めんな』って思いつきの嘘ぶっこいて赤を手渡したwww


そんでリサがしぶしぶ着てたんだけど いきなし笑顔になって『うわっ マジあったかいんですけどっ!』ってすげぇ喜んでた


鏡の前に行ってどんな感じか見てたんだけど しばらくしたら首をかしげながら『赤かぁ・・・ 似合ってんのかなぁ?』とかまだごたごた言っていやがんだよね


なんかイラっとしちまって『そしたらお前 それ逆に着りゃいいじゃん!』ってアドバイスしてやったんだよ


そしたらあいつ普通に『そうだね なるほど♪』つって 無地でベージュの裏生地の方を着やがってさ アタイ的には冗談で言ったつもりだったのに あいつ納得しておとなしくなったからマジ信じらんねぇよwww


そんで2人ちゃんちゃんこ着てワイワイしてて その後にアタイが『てか腹減ったしお好み焼きでも作ろうぜ』って言ってキッチンに向かったんだよ


リビングに入ったらソファで踏ん反り返ってるママがいて リサを見るなり『あらら! リサちゃん! そんなアホみたいな着かたして 何の修行中なのっ!?』って怒られてたwww


そしたらリサが『あっ これさっきミスカがこっち側で着た方が似合ってる』って言うからこっちで着てますってハキハキしながら返事しやがってさ マジ余計な事いってんじゃねぇよって思ったよ


その後やっぱしアタイがママに怒られてさ 胸ぐら掴んできて『ミスカ! あんたパープル似合ってないんだからリサちゃんにそっちあげなさい!』ってマジ顔で言われたwww


仕方ねぇからリサに愛用してたパープルあげたんだけどさ ムカついたからリサがお好み焼き作ってる隙に バレないように青のりをちょこちょこリサの頭の上に気が済むまでちりばめてやったwww


まぁアタイ的には実は何色でもよかったし リサが喜んでくれてなによりだったよ


それなのにちゃんちゃんこ脱ぎっぱなしにして 残ったお好み焼きをテイクアウトして元気に帰ってったからねwww


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