第40話 賞味期限


バイトの昼メシで食ったママ手作りの紅ショウガおにぎりマジ最悪だったわ


かじったらピンク色のが見えて『かにかまかよ!』ってがっかりしてたら さらに最悪なのが埋まってからねwww


ママに文句を言おうと思って 家に着くなり真っ先にリビング行ったら なんかママすげぇ真剣な顔して夕食を作ってる最中でさ


でもいつもの真剣さとは違って目つきがやばかったから このタイミングで文句を言うのを止めといたよwww


とりあえず何作ってんのかだけ何気なく確認してみたら ちくわをみじん切りにしてっからすげぇテンション下がった


だってちくわって言ったらあの穴をどんだけ匠に使って楽しむかってもんだし キュウリやチーズなど突っ込んだり なんなら紅ショウガでもいいんだし その時の気分によって好きなもん入れて食うってのが本来のちくわなんだよ


そんだけチクワってのは夢のある食いもんなのに それをみじん切りしてメインの穴をめちゃくちゃに破壊してたからねwww


めんどっちいからそんな説明をママに言わなかったけど 一言だけボソッと『まさかのみじん切りかよ?』って大人として言うべき事は言ってやったんだよね 


そしたらママが残念そうな顔こっち向けて 本当は本来の夢のようなちくわ食いしたかったらしいんだけど 賞味期限がとっくに切れてもう食えねぇから 悔しさの限界と怒りで勢いよくみじん切りしてただけだったwww


ママが『はぁ~終わった じゃミスカこれ捨てといて!』って30本みじん切りにされたちくわを捨てて そんで今日の夕飯は何だろって感じで缶コーヒー飲みながら後ろで見てたんだよね


ママ顔面に大汗かきながら冷蔵庫から玉ねぎを取りだして 今度はそのタマネギまでみじん切りしだしやがったから『それもかよっ!』って普通に言っちゃったよねwww てかうちにはどんだけ賞味期限切れの食材があんだよwww


作業が終わったら玉ねぎ切った涙と大汗で顔面びしゃびしゃだしさ 目もほとんど開けらんねぇからヨタヨタしながら冷蔵庫へ向かってって アタイはその間に勿体ねぇけど玉ねぎも捨てといてあげたよ


ママ冷蔵庫に保存してる目薬を差しただけですぐに戻ってきたんだけど まな板を見ていきなし目をぱっちり開けて『あんた!ママが涙を流しながら切った玉ねぎはどこやったの!』って突っかかってきやがってさ アタイは言われないうちに捨てといてやったって伝えたんだよ


そしたらこれは普通にハンバーグに使うんだったらしくて すげぇ怒られたwww

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る