元禄ぷろれす武芸譚 ケンタくん、ラリアット! 石田 昌行様

 前置きなんて書いている時間がもったいねえ!





















 元禄ぷろれす武芸譚 ケンタくん、ラリアット! 石田昌行様


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054880296174


 くじを引くのももったいねえ!






 現役プロレスラー古橋ケンタは、バスに乗っている最中、現代とは違った遠くに飛ばされた。


 徳川綱吉が幕府を治める、時は元禄であった。


 寡黙で不器用。プロレスの女神と結婚したんじゃ無いかと囁かれるほどのプロレスバカなケンタが、世に蔓延る悪をバッタバッタとラリアット。










 気になったところを早口で箇条書きで述べまーす(唐突)。


 ・基本三人称だが、時折一人称視点に見える演出。

 ・節変えすらもなく唐突に視点が移ることもあるため、一見すると誰に寄り添っているのかわかりにくい部分あり。

 ・一話一万字以上はある。下手したら二万字あるんじゃないかと思うくらいの一話間の文章量。

 ・描写の詳細さに加え、余すことない心情描写。例えや逆説的接続詞なども頻繁に使用しているため、一つの出来事や動きの説明が冗長。つまり素敵だけどやりすぎている。

 ・情熱的な表現多用による、たまに違和感を感じる表現。良い場面で性の絶頂やラスト付近のレゾンデートルはちょっと違和感が。

 ・今実在している現代のキャラがパロディとして元禄時代にでてくる←ボブサプに笑ってた。

 ・そこラリアットじゃないんかい!(スラムダンクもスラムダンクで終わってないけどね)









 ふう、大体こんな感じですかね。


 で、ここまで細かいことをごちゃごちゃ言ったのには理由があります。


 とある一言を全力で言いたかったのです。


 せーの



























 こまけえことはいいんだよ!(今までを全否定)


















 もうそんな姑みたいな文句が全て吹っ飛ぶくらいに好き(暴走)。


 別にですね、プロレスを嗜む趣味は、残念ながらないんですよ。


 K-1は、やっていたら必ず見るくらいには好きでした。男同士の殴り合い、蹴り合い、意地の見せ合い。カッコいいです。ジェロム・レ・バンナの優勝を見たかった……。


 とはいえ、プロレスにはさしたる興味を持てなかったんですよね。別に茶番とまでは言いませんが、技をあえて受ける姿というのは嘘めいているという印象を受けていたことは、包み隠さず記しておきます。


 ただ、最近なんかのテレビ番組でプロレスの疑問についてをジャニーズが聞いていたのです。


 その中で、相手の力を9割引き出して、自分は10割の力を出し切って相手を倒す。


 その言葉に、プロレスというものが単なる格闘技を超えたものであるような力を感じました。


 ただ圧倒的に相手を制するだけでない、まさにあえて技を受けてみせるという美学。そこに尊さを感じました。


 で、少しプロレスに関する考え方が変わったところで今作でした。


 ええ








 ぶっちゃけ泣きました。










 感動の涙とはちょっと違うんですよ。何が涙を流させたのかというとそれは私がいや俺が『オトコ』だからなんですよ←遠藤がまた変なこと言い出した。

 細かい事象なんてどうでもよくなるくらいに男だったら一度は憧れる完全無欠なヒーローの姿を見たような気がするんだ。それにこの物語はまさに勧善懲悪といった趣きでプロレスをする時代劇って感じなんだ。だから悪役はゲスければゲスいほどいい。悪役にも理由があるんだなんていう現代にありがちな考えさせられるお涙頂戴なんていらない。これでいいんですよ!

 それに細かくて正直やりすぎに感じる思いのこもった描写だから50万字もいっちゃってるんだけどそれでも読んじゃったよ。そこは語らなくてもいいんじゃねもっと短縮できるんじゃないだろうか早く続き見せろやとか暴言めいたことを思わされながらグイグイと読んじゃった。

 愚直で真っ直ぐでプロレスバカで女性の免疫なくて毎日筋トレするほどに一辺倒でどれだけボロボロになっても一つの約束のために立ち上がってしまう無鉄砲だけど。


 それが男ってもんなんですよ。


 やらなきゃいけねえ時があるんですよ男の子にはなあ!

 どんな困難でも立ち上がって女性子供の盾になって絶対に勝てないとわかっている戦いでも堂々たる面持ちで出て行かなきゃいけない。そんなの道理も理屈も通りやせん。現代の若者が見たらもうそれはただの阿呆でやんす。

 死ぬために見せるために行かねばならぬ。


 それが『漢』なんですよ!











 もう卑怯ですよこれマジで。こんなん男が読んだら熱狂するに決まってますやん(言葉が定まらない)。


 この物語は理屈で考えるものじゃない。道理とか原理とか頭で考えるもんじゃない。

 魂で感じるものだ。御都合主義的な展開もあるし非現実感半端ない。

 それでも心震わせられる。それだけの力を持っているのです。


 前回の記事では裏切ることがわかっているから萎える的なことを書きましたが今回は裏切ることがわかってむしろ良かったと思ったのです。


 というのもケンタと相手の己が美学をぶつけ合う対決が見られると思い嬉しかったからです。


 戦いなんて野蛮でしょう。剣よりもペンが強い時代で殴り合うなんて馬鹿げているでしょう。スポーツ選手よりもユーチューバーになりたい子供が多い世の中でどうして前時代的な暴力が蔓延らなきゃいけないのか。


 でも心は熱く燃え盛っちゃうんだよ男だから!


 最終決戦を前にしてケンタは死闘に向かう戦士ではなく、プロレスラーとして思います。


 プロレスなんて、自分がどれだけ凄いのかということを見せつける、子供の意地みたいなもんだと。


 大人にとってはどうでもいいよなちょっとした勝ち負け。どっちが強いかなんていう幼稚な順位づけは、現代の世の中においては無意味であるかもしれないし、バカがやることと冷笑されるかもしれません。


 ちょっと何かあれば「暴力行為なんで訴えます」。権利を主張し、己の自尊心ばかり肥え太らせていく。自分の権利を主張し、自らの行いを省みない。そして何よりも体や腕を奮う行為を暴力として敏感に捉えて、無条件に己の被害者っぷりを訴える考える現代人たち。















 男としての魂が足りねえんだよ。ちゃんとキン◯マついてんのか!











 俺は暴力なんて大嫌いな人間で、どちらかと言えば体罰やら精神的負担などに敏感でそういったことについてはどうしても理屈で反論してしまうのですが、


 それでも法律や理屈を超えた美学というものは決して離さずにはいたいと願い続けています。


 社会的に見れば、できない奴を切り捨てて閑職に追いやることも企業理念としては戦略です。ルールに則っている行為である時もあります。それなら誰も責められない。


 けれどそのことに関して不快感は残る。だってルールを犯さないその行為が、自分の魂が認めるいいことであるとは思わないからだ。


 金にならないから客には時間や労力をかけないことも上手いやり方だろうけど、そんなことは嫌だと思えばそれはルールの問題じゃない。


 別に他人に迷惑をかけなければ好きに生きていいと思う。それが個人の権利でしょう。


 けど、迷惑未満のちょっとした嫌な行為を法律に抵触しないからってやっていいことにはならない。


 思いやりなんて法律の条文には載ってねえけど、個人が人間として備えておくべきものでしょうが。




 まあ関係ないことまで色々述べてしまいましたが、理屈を抜きに心が震えた物語だったんです。


 物語の整合性とか必然性とか考えにも及ばない。そのくらいどうでもいいほどに熱狂させられたんです。


 そしてタイムスリップもので元禄時代でも清々しいほど大恋愛をするんですが(あらやだ14歳ですって。昔はすごいわねえ)、現代から来た以上は元の時代に帰るのかという問題が残ります。


 で、ぶっちゃけ予想通りの展開でした。


 しかも予想以上の御都合主義でした。


 だからこそ最高なのです。


 想像を超えたウルトラハッピーエンド。理屈も道理もいらない。


 本当に良かったなって安心できるラストでした。


 天晴れです。







 ボブサプには笑いました(小声)。









 5753000











 熱狂のままにくじを引くぞおらああああああ。















 恋慕の黒い染み 赤城 玲様


 検非違使とは懐かしい単語が……。


 なんだか歴史物が続きますね。


 読み進めます。









 次回予告
















 妹はパティシエ志望なため、母親とホテルにケーキを食べに行きました。


 そしたら、近くに『スイーツバイキング』たるホテルがあったそうです。


 どんなスイーツがあるんだろうと行ってみたらしいのですが









 そこはラブホでした。












 まあ彼女のイチゴちゃん(柔和表現)を頂いちゃうから間違ってはないのか……←くたばれ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る