再)木星の鳥 猩々飛蝗様

 自主企画に私は参加規定を設けませんでした。


 対象を縛らない自由さがウリだからです。


 参加も自由であると同時に、くじを引いた時点ですでに脱却されていることも自由です。


 なので正直、初めは読まないつもりでした。巡り合わせが悪かった。


 でも読みました。


 私はごね得が大嫌いです。


 なぜ物言わぬだけでルールを守っている人が損をしなければならないのか。並んでいるところに割り込んで騒ぐような奴がどうしてうるさいからという理由で裏で密かに購入ができたりと得をしなければならないのか。


 ルールやモラルに反する者にこそ厳しくされなければならない。倫理的にはそう思います。


 まあでも実際のところ、対応するのは社会のルールを盾にしただけの個人であるからこそ、めんどくさいことやうざったいことには安易な解決を用いることは仕方ないです。


 で、今回はくじを引いたタイミングで非公開だったわけですが、読んで欲しいとの希望なので読みました。


 皆さん優しいので読んであげて欲しいとのコメントもあり、期待があるなら応えたいという心情で読みました。


 で、そうなると物言わずに読まれることを待っている方々にたどり着くことが、その分遅れてしまうわけです。


 図らずしも他人に影響を与えることとなったのです。


 もともとくじで引いていたからいいのではという考えもあるかもしれません。


 でもこれがもし応募される日以降にくじを引いていた場合に、「遠藤に読まれるためにやっぱり応募やめます」ってなりますか?

 おそらくならんでしょう?


 仮定の話ですし、実際にくじではこのタイミングに引いたので意味のない話ですけど、読まれるまで永続的に企画参加がなされないだろうなと思うと、こちらとしても複雑なわけです。だからこそタイミングの問題で終わりにしようと思いました。


 まあでも今回は読ませていただいたので感想を書きます。


 ただ、一言だけ言わせてください。










 色んな方々が参加されている中、自分たちの都合でわがまま言ってんじゃねえよ。














 はいスッキリしました。


 これでこの出来事はおしまいです。













 木星の鳥 猩々飛蝗様


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885125735


 木星を探査するまるで人格を持っているかのような自動探査機が、記録を辿りつつ世界の在り方を知っていくといった概要のように思います。


 思いますという表現になってしまうのは、あまりにも本文が難解を極めるからです。


 物語を難解にしてしまう原因は、専門用語の乱発と断片的とも言える表現でしょう。


 専門用語、一定の分野における知識をもって展開する物語というのは、SFの醍醐味足り得ると思います。


 日常においては意識することのない空想科学的な世界観。


 深淵の願望を表すかのような破滅的展開。人類のあり方を問う哲学としての役割すら果たせそうなほどに壮大です。


 読書良さって、自分の知らないことに出会えるという意味では、知識欲を満たす行為としての側面もあるように思います。









 ただ、非常に読み辛いです。


 漢字と専門用語の乱発による弊害です。


 雰囲気作りには成功していると思います。


 しかし、読む方としてはわけがわからないという風な印象を持ちます。


 ある程度の用語自体を理解していないと、物語を読む資格すらないのではとすら感じます。


 論文であれば、こういった書き方でもいいのかもしれません。きちんと把握していること前提で書かれていますし、読む方も知っていること前提の知識人が読むからです。


 もしこの小説を、ただ単にわかっている人だけに読まれたいということであればそれでいいと思います。


 万人に読んでもらいたいというのであれば、難しいと思われます。


「よくわからないけどすげー」という感想よりも「わけがわからないから読まない」という感想を抱かれる可能性の方が高く思います。


 小説は読みたい人が読む、選択的な娯楽なのですから。


 加えて気になるところとしては、描写不足です。


 化学反応や固有名詞に基づく説明ばかりで、それは一体どのようなものであるのかという描写に乏しく、唐突に展開されています。


 動いたら次の瞬間には崩壊しているような、その過程や温度が感じられないと、どうしても引き込む力に乏しく感じてしまいます。


 どうでもいいような一瞬を、コンマ以下の瞬きすらも長く感じる瞬間を切り取ることが文学の一種だと思います。そこにどのような意味をつけるか、何を感じたのか。


 事実の羅列が大半だと味気ないです。


 少なくとも何らかの賞を取られる物語というものは、ある程度の理解が得られるからこそ選出されると思うのです。


 世界観と専門的な文章によるゴリ押しは、申し訳ないのですが作者のエゴと感じてしまいます。


 エゴを貫き通すことも表現の一つなので、私はそれでもいいと思います。


 ただ何らかの目標を目指すのであれば、再考の余地があるように思います。


 応募されるのであれば、健闘を祈っております。






 2315000










 くじを一回ひっくり返して見たら、まだ残っている数に絶望しました。


 怖くて数えてない!







 次回予告











 次回




 かにばる(正統予告)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る