「どなたか、応答を」
「こちら、第十一隊所属、リツ二佐。応答願います」
一人
それならそれではじめから感度のいい場所に居ればいいようなものだが、それもつまらない。
「どなたか、応答を。――なんだあ?」
第十一隊のような例外はともかく、通信機には常に誰かがついているはずだ。しかも、
「応答せよ、こちら――」
『…っ隊…か…』
「はい、こちら第十一隊所属リツ二佐。何かありましたか?」
『第八隊、スダ一佐だ』
リツよりも上の階級だが、確か副班長だったはずだ。思わず、眉間にしわがよる。
『――やられた。班長が戦線離脱――いや、言いつくろうのはよそう。どうにか戦力になりそうなのは、私と新人の二人くらいだ』
リツは、言葉に詰まった。念のために出動はしたが、援助など必要のないような、そんな任務ではなかったのか。
相手も、それを踏まえてだろう。苦々しげな声を押し出している。
『――至急、こちらに合流してくれ』
「了解。座標を教えてください」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます