程よい距離のままがいい

1

「整いました!」

「唐突だな」

「サビ抜きを頼んだはずなのにわさびが入ってたお寿司と掛けまして、恋に敗れた冬の夜と解きます!」

「ほう、そのこころは」

「どちらも鼻の奥がツンとして切ないでしょう!」

「纏まってるけど却下」

「なんで!」

「敗れた恋なんて俺の中では存在しないから」

「な、何を言ってるのか分からないアル……」

「何を照れてるのか分からないぞ」

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