配達人

knock、knock、knock


手紙をお届けに参りました

ひどい雪でございますね

いえいえ、わたくしたち配達人はいつだって

こんなモノですよ

雨の日も、雪の日も、飴の日も、征きの日も


わたくしたちには変わりはありません


あちらから、こちらへ

こちらから、あちらへお届けするのです


必ず、knock、

お届け、knock、

するのですknock、


例え火の中、水の中と申しますでしょう

そのような勤めでございますから……


さぁ、開けてください


knock、knock、knock


お前の頭をknockする!

記憶の扉をknockする!

誰かの命をknockする!


影絵のように

伸び縮み

フロックコートの配達人が扉を叩く

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