配達人

knock、knock、knock


手紙をお届けに参りました

ひどい雪でございますね

いえいえ、わたくしたち配達人はいつだって

こんなモノですよ

雨の日も、雪の日も、飴の日も、征きの日も


わたくしたちには変わりはありません


あちらから、こちらへ

こちらから、あちらへお届けするのです


必ず、knock、

お届け、knock、

するのですknock、


例え火の中、水の中と申しますでしょう

そのような勤めでございますから……


さぁ、開けてください


knock、knock、knock


お前の頭をknockする!

記憶の扉をknockする!

誰かの命をknockする!


影絵のように

伸び縮み

フロックコートの配達人が扉を叩く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る