トンネル

陽月

第1話

どの位歩いただろうか、この暗く長い長いトンネルを。

大きな落とし穴にはまったかのように突然僕はこのトンネルの中にいた。

入った瞬間に、このトンネルは“先の見えないトンネル”という事に気がついた。

なぜ気がついたかというと、僕の通ってる中学というよりこの歳になると皆なぜか口々に言うのだ。

例えば学校の七不思議とかね。

噂の様なものが大好きなのさ。

そして、この先の見えないトンネルは出口の光がすぐに見えないからこの名前がついたそうだ。

更にこのトンネル僕は今1人でいるが大勢で入ってしまう時もあり、中に入った者皆が抜け出せるわけではない。

このトンネルから出てきた者たちが次々にそう言うのだ。

ただ、この中から出られるのは数少ない。

周りで入った者がほとんどおらず、出てきた者もほとんどいない。

ただ噂だけが広がり都市伝説となったのだ。

「まさか都市伝説が本当だったなんて。」

僕がこの中に入ったのは学校に向かってる時突然ストンと中に入った。

それから今までずっとずっとここを歩き続けている。

何時間歩いたのかもわからない。

途中で休憩しようと思ったが、少しでも早く僕はここから出たかった。僕は出られると信じたかったからだ。

しばらく歩いていると顔がそっくりの2人の女の子がいた。

「私アンジュ!ねえ君はいつからここにいるの?どこからきたの?」

「わからない」

「ほらオグルも挨拶しなよ!」

「オグルです」

と2人と話しているうちに僕は都市伝説の続きを思い出した。

しばらく歩いていると双子の女の子に出会う事。そしてこの子達との会話がトンネルから出られる鍵になる事。

「ねえ、さっきからずっとこのトンネルを歩いてきたの?」

「そうだよ。」

「疲れたよね?大変だったよね?私ねこのトンネルから出られる方法知ってるんだ!」

きた!僕はそう思った。

「アンジュ教えちゃダメよ。」

「オグルはまたそういうんだから!いーの!こんなに頑張って歩いてきたのよ?教えてあげたって良いじゃない!」

「そうね私が悪かったわ教えてあげましょう」

「ありがとう!僕はどうしたら良いの?」

「私達の後についてきて!」

僕は2人の後についていった。

そしてアンジュが僕の耳元で、これでやっと楽になれるねとまるで天使の様な見た目をした悪魔が囁くかの様に。

そしてオグルが僕の肩に手をかけた。

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