無死
花枯れし地面を歩み
軽快な調子の口笛一つ
砂埃立つ沙漠を歩み
重苦にあへぐ歌声二つ
底知れぬ泥濘を歩み
ゆるりと響く鳴弦三つ
暗き夜の帳
その向かふで
悲しげな手拍子四つ
その音が
歌声と唱和して
悲痛な叫びをあげるのだ
折しも籠より飛び出した金糸雀鳴く
いとほしきこと哉
いとほし、かなし……と
軽快な調子の口笛が
ゆるりと響く鳴弦が
金糸雀の声にいらへて鳴く
いとほしきこと哉
いとほし、かなし
あはれ
孤弱に惑ふ
君に幸あれ、君に幸あれや……と
いつまで泣くか
五つまで泣くか
さすれば四つ手拍子せむ
恐れるなかれ、恐れるなかれ
死を超えて
見える景色は静かなり
見える景色は
静かなる哉
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