第32話ガラス
ガラスがわれる。どこかで。とおくで。
こなごなに、くだける。音。が、響く。
音楽のように。響く。
虹が、でる。空に。少女たちの、まえに。橋のように。
虹をわたる。ガラスで、できた。虹の橋。
雲がすぎゆく。鳥がとんでいく。
こなごなに、砕ける。橋。虹の橋。わたりおえたら。
・・・。
虹が、砕けた、そのあと、見知らぬ場所。
まち。ちいさなまち。おもちゃのよう。その、まち。
汽車がはしっている。みんな、ガラスでできている。
汽車にのる。
ガラスの汽車が、はしる。
夜が、くる。ジャズのしらべ。汽車のリズム。
夜が、明けない。
ガラスでできたような、月が、浮かぶ。三日月が。
星が、おっこちる。少女は、みた。しかし、とおりすぎた。
汽車は、見知らぬ場所につく。
ガラスでできた、駅。広場、ガラスの噴水。
ガラスの街灯。
ガラスでできた、蛾。
たき火をしている。なにかが。
蛾が、火に、とびこむ。
蛾が、火に、飛び込むと、はじける。
たき火をかこんでいる連中。見ている。
蛾の、たいぐん。
ガラスの山。その、奥で、火が、燃えている。醜い。
悪臭がする。
ごみのやま。少女たちのまえ。あらわれる。
ごみのやまが、燃えだす。
ガラスの、汽車に、かえる。
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