第8話 みてらんない二人

「キスって10回いって」

「キスキスキスキスキスキスキスキスキスキス」

「私の事どう思ってる?」

「んー、普通かな?」

「……」

「えっ? なに? 好きって言ってほしかったの?」

「そんなんじゃないですよぉー」


「じゃあさじゃあさ、今度はお前やってみてよ。 好きって10回いってみて」

「すきすきすきすきすきすきすきすきすきすき」

「なんで赤くなってん? おまえー! ミカ、俺の事好きなん?」

「えっ!? いや……、そんなんじゃないし……」

「なんでニヤケてんの? なんか怪しいなお前、じゃあさ、ナオキ大好きって10回いってみて」

「えー、無理ぃ~」

「なんでよー? 別に好きじゃなかったら言えるっしょ」


「ナオキ大好き」

「……」

「……」


「そんなに心込めるなよ。 重いってその一言。 しかも一回しか言ってないし」

「ナオキ大好き」


「わかったって、わかったわかった。 なんかむずがゆいから終了」


「ナオキ」


「ん?」


「大・好・き」


「次言ったらキスするからな!」





ゲームの力をかりないと、思いを伝えられない女の子。

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