第80話 奥さま達との初デート? (19)
だから儂は黙って真っ赤な顔で嫉妬しているセリカの首へと二の腕を回して、自身の方へと寄せた。
そしてエリカの唇を貪る行為をやめて、今度はセリカの柔らかい唇へと自身の唇を重ねて、『モグモグ~。ゴクン~!』と、貪り堪能を続けた。
すると猿のように真っ赤な顔で、『キッ、キキ~』と、嫉妬しながら唸り声を上げていたセリカなのだが。儂が唇を重ねると、自身の目をトロントさせながら酔いしれ始めて大人しくなった。
だから儂自身も『ホッ』として安堵……。
これでセリカの方は何とかなるので安心をしたのだ。
う~ん、でも、良く思案をしてみろ、儂? と。
儂は自分自身に問いかけてみたのだよ。
だって傍から儂等夫婦を見て観察をしていた者達も気がつくとは思うのだが?
若い妻が複数いて、一人可愛がれば、残りの者が拗ねるのは当たり前のこと……。
ましてや、儂等夫婦か再開したのは十数年ぶりになる訳だから、セリカを可愛がれば今度はエリカが拗ねるに違いないと思うから。
儂は空いている自身の腕で、再度エリカを二の腕を使用して抱き締めたのだ。
それもエリカが拗ねる前に素早く──!
未だエリカは、儂との荒々しいキスの余韻が残っているので、呆然としていると思うから。
儂はとにかく敏速に行動──。
そして今度は、『ウム』も言わせない勢いでまた、エリカの唇に唇を重ねた。
それも今度は、エリカとセリカと交互にしたのだ。
まあ、そんな両親の姿を儂の愛娘のレイは、「はぁ~。もう仕方がないですね~。お父様もお母様も~」と、声を漏らしながら。
娘のレイも目のやり場に困っているようなので、「はぁ~」と何度も嘆息を漏らしながら、車窓から外を眺め続けたのだ。
儂等夫婦の仲直りが終わるまでね。
◇◇◇◇◇
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