31帖 ツインテール
『今は昔、広く
「このお店、入ってみる?」
「いいの」
「ええよ」
「そしたらちょっとだけね」
杂货店に寄り道。
店に入ると、ミョンファは目を輝かせ小物類を見て嬉々としてはしゃいでる。やっぱり女の子やねんなぁあと思た。
そうや。昼飯と入場料のお礼に何かプレゼントしよ。
そう思て僕も
何がええんやろ? ミョンファはどういうのんが好みなんやろ?
どうしたもんかと困り、小物を手に取って見てるミョンファを後ろから眺めてみた。
ミョンファは肩下まで伸びてる長い髪を黒い紐でひと
なるほど。髪をきれいに止めるもんがあったらええんや。
という結論に至る。
僕は他の女子に混じってあっちこっち探してみる。すると、「
店の外で待つこと10分。ミョンファが出てきた。
「ごめんね。遅くなりました」
「なんかええもんあった?」
「そうやねー」
「何買うたん」
「いいえ、買いませんでした」
それなら、丁度ええわと思て、
「ミョンファ。これもらってくれる。プレゼント」
と言うて紙袋を渡した。
「ええ、いいんですか……。おおきに」
紙袋を受け取って、中から发圈を取り出す。
「わーかわいい。この小さなリボンがめっちゃ可愛いです。おおきに! つけてみてもいい?」
「おお、ええなぁ。つけてみて」
「うーん、シィェンタイはどんな
「そうやなぁ……」
僕はミョンファの頭から帽子を取って、顔をじっと見る。ミョンファは照れて下を向いてしもたんで後ろに回ってみる。
ポニーテールもええけど、ミョンファにはツインテールが似合いそうや。
「ミョンファ。髪の毛を、こう二つに分けてくくってみたら」
「え、
周りを見渡して、隣の时装店に入って行く。
僕もあとについて行ったんやけど、ミョンファはそのまま店の奥に行ってしもた。そやし僕は一人でミョンファにはどんな服が似合うんやろかと考えながら店内を眺めてた。
时装店は、流行りの服を売っているらしい。日本で言うたらブティックの様な感じの店や。そやけど日本と比べたらデザインが少し古く思える。まぁ女子のセンスは全然分からんけどね。付け加えておくけど、男子の流行りも分かりません。
店内をウロウロしてたら、ヒラヒラが付いてる白い
これやったらミョンファに似合いそう!
高っ!
トルファンまで
「シィェンタイ……」
と声がする。ミョンファは
「こ、こんな、感じでどうですか……」
長い髪を耳の後ろでくくり、両方の肩から少し前に垂らしててて、さっきと全然雰囲気が違う。
めっちゃ似合てる。完璧や!
なんでかドキドキしてしもた。
「ミ、ミョンファ。めっちゃ似合てるよ。さっきよりもっと可愛くなったで」
と言うたら、いつも通りプッと膨れてしまう。
「シィェンタイが、買ってくれたから……いいに決まってる」
「ミョンファやったら何でも似合うんやて。うん。よし、それで公园に行こ!」
ミョンファは黙って
店の外へ出ると風が吹いてきて、ミョンファの前髪がフワフワと風に揺れてる。
僕は更にドキドキしてしもた。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます