自分は見えない その7

 ある夏の夜、俺は友人の運転する車でドライブをしていた。

 他愛のない会話を楽しみながら時間を潰していたが、友人が喉が渇いたという事で、近くのコンビニの駐車場に入った。


 「ちょっと待っててくれ」


 そう言い残し、車を降りた友人が店内に入っていく。

 窓から見える、珍しくもない風景を眺めて時間を潰していると、程なくして友人が戻ってきた。


 「周りに迷惑をかける奴って許せないよな」


 一体店内で何があったのか、友人はいきなりそんな事を言った。

 俺は「確かにな」と短めに返事をしたが、頭では別の事を考えていた。


――さっきお前はエンジンを付けっぱなしにしてたけどな。 

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