独想

青い向日葵

眠れぬ夜

 人に会わなくなるにつれて

 考えが狭くなって

 自信がなくなって

 普通って どんなだったか

 誰かに聞いて確かめたくても

 そんな人は傍にいなくて

 こんなふうでなかった頃の私は

 どう思うだろうか なんて

 また一回りして

 おかしな思考は

 とどまる処を知らない

 きっと人はこんなふうに

 狂ってゆくのだろう

 それは はっきりとわかる

 明日は

 余所行きの装いで出かけよう

 そう決めてから

 また眠れない夜が続く

 繰り返し

 朝には

 あれほど考えたことが全部

 どうでもいいと思うことも

 知っているのに

 不安だけは

 毎晩やって来る

 真っ白になって眠った

 いつかの健やかな夜が

 他人事ひとごとのように

 懐かしい

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