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事前に分けられていたクラスに行き、席につくと背中をつつかれた。
「なぁなぁ、ここの学校の人顔面偏差値高くね!?」
『ははっ、そうだな。けど、君もかなり高いと思うけど?』
唐突な第一声に思わず笑ってしまう。
けど、顔面偏差値が高いのは事実で、この学校が人気である理由の1つらしい。
「それはねーわー!あ、俺、神崎透(かんざきとおる)。よろしくな」
『僕は、神山夏目(かみやまなつめ)。よろしく。』
神山という苗字に違和感を感じる。
息子をおいてまで、父が理事をしていた高校の生徒になっている理由は3つ。
1つめは、現在在籍している僕の甥にあたる生徒を構成させるため。
甥の母、妻の姉には世話になっているため、承諾せざる負えなかった。
2つめは、理事長を引き継ぐにあたり、生徒会等の現状を知り、立て直すため。
権力を使い、自由気ままにやっている現状をなおしたい。
3つめは、妻との約束を果たすため。
そのために、今こうして、20半ばの成人が高校生という、未知の生き物と一緒に過ごそうとしている。
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