第164話
面白くないス一パ一ダ一クエネルギ一は、更に破壊力を増したレーザーをエレノアに向けて照射する。
今度こそ……死ぬ……エレノアの後ろでりおんとリンスロットは無意識的に躰を収縮させる。
「ふふ……」
オフェリアを華麗に操り、少女達とは格の違う、絹の如き滑らかさと、オーロラにも似た煌びやかな色彩の防御シールドを優雅に展開するエレノア。
りおん達を死の淵まで追い詰めたス一パ一ダ一クエネルギ一のレーザーは、エレノアの防御シールドにあっけなく弾かれ、消失する……。
ならばと、威力を増したレーザーが尚もエレノアを襲うが「簡単に」という表現が最も適切な程に、手首でオフェリアを僅かに動かすだけで、ス一パ一ダ一クエネルギ一の攻撃をいなす……。
あっけなく……簡単に……。
更なる攻撃に、少しオフェリアを強く動かすエレノア……すると、シールドに触れたレーザーは反転し、エレノアの攻撃となってス一パ一ダ一クエネルギ一に向かい、その一部を吹き飛ばす……。
『凄い……』
エレノアの圧倒的実力に全員が同じ言葉を紡ぐ。
「これが、プラチナスタークラス……これが、最強魔法少女……これが……御姉様……」
自身とのあまりにも乖離した姉の実力……「敗北」を認めた達観にも似たリンスロットの声質。
「リンスロット……後は私に任せて、あなた達は還りなさい……」
優しくも厳しいエレノアの
一部が吹き飛ばされたス一パ一ダ一クエネルギ一からは、人型、キューブ、ウェーブ型が湧き出し、エレノアに迫る……その数はリンスロット達が相手にした数百倍にも及ぶ……。
「あんなに……」
思わずりおんは呟いた。
リンスロットは身構える……みんなを守る……そう自分の心に言い聞かせて。
いつもなら、その気概が頼りになるリンスロットだが、傷ついた彼女の戦闘力は現状、りおん以下である……。
「リンス、そんな状態で迎え撃つなんて無理だよ」
「わ、わかっていますわ……それでも、わたくしは……」
「リンスロット……今、あなたにできる事はありません……事実を受け入れ、みなさんを連れて還りなさい……りおんさん、あなたもです……」
厳しく律するエレノア……。
「くっ……」
リンスロットは、ある種の悔しさと妬みを静かに放出する。
プラチナスタークラスとゴールドスタークラスとの間には、こうも歴然たる実力差があるのか。
唇を甘噛みするリンスロット……。
その実力差を見せつける様に、エレノアがオフェリアを華麗に握り、操って放たれた美しい光の攻撃は、りおんがたじろいだダークエネルギー達を瞬時に消失させた……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます