独りこの街で彷徨う

誰もあたしのことは目もくれず

楽しそうに誰かと笑って歩く

あたしは横目に指を咥えた


この街はあたし以外の幸せで溢れている

他人が妬ましくて 羨ましくて

あたしは嫉妬してしまう


「どうしてあたしだけ。」 悲劇のヒロイン気取り

「君の優しさに溺れたかっただけ。」 君は困った顔

「だってあたしだけ独り。」 皆が遠いの


街からあたしは落っこちた

君さえ見えなくなって 街から消えた

嫉妬に塗れたあたし 全てに恐怖した


皆のことを羨望するあたしはとても醜くて

とても視てられないや 居られないや

そう思っては何処かへ消えたの

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