12#昇天~エピローグ

 ぱーん!ぱんぱんぱんぱんぱーん!




 通常の5倍もあるという大イノシシは、催事場の風船配りのための風船にヘリウムを詰めこむ作業のスタッフ場所で、崩れてるように倒れ、無数の風船が重みで破裂した。


 そこには、大勢の野次馬が出来ていた。

 放置車に潜伏していたスイカ荒らしの大イノシシ。トラックにぶつかって、玉突き衝突で死傷者まで出させた大イノシシ。そんな罪深い大イノシシが今ここで死んでいる。




 ある人は、ざまあみろと思う。




 ある人は、かわいそうと思う。




 ある人は、ボタン鍋では何杯分かと思う。




 大半は、ここに大イノシシが存在してるのが迷惑だと思った。




 でも、大イノシシは幸せだった。




 いっぱいのカラフルな風船。




 大きな鼻の穴には風船が嗅げるようにあったし、口には膨らませてない風船をくわえるようにあった。


口元の風船は空気が入っていくようだ。




 そして、ぶっ!と風船の空気が飛び出すと・・・大イノシシの命は、風船が大空へ飛ぶように天国に舞い上がった。







  母さん!




 僕の居場所が見つかったよ!




 僕は風船という仲間が出来たんだ!




 母さんが言った、風船のように自由になるて意味教えてよ!




 母さん!




 母さん!




 どこにいるの?







  ~第一章 fin~

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