残念な男子高校生の日録

桐原 司

月曜日の昼休み

 あるところに、カッターと呼ばれる男子高校生がいました。


「名前にきりという漢字が付いていて、それを「きり」って読むところから「切り」ってなってね、そのあと切るんならカッターでよくね?ってなったから、あだ名がカッターってなったんだ」

と語るカッターくんは、いつもスマホの携帯用充電器を二つもカバンにいれている。


 夏休みが明けて一週間くらいたったある日、クラスの女子から充電器を貸して欲しいと言われた。


「ねぇカッター、スマホの充電器持ってたりする?」


「あー、持ってるよ」


 カッターはカバンから充電器を取り出して、

「俺が持ってないと言うとでも思った?」

 と言って渡した。


「あー、うん。そうだね。ありがとー」



 カッターは席に戻ると再びスマホを横に持った。

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