第2話 そうだ、お寺に行こう

 祐二ゆうじ霊視れいしレンズをメガネにした。霊視れいしメガネ。かければだれでもれいえる。しかしだれってくれるだろうか。

れいといえば、おはか。おはかといえばおてらだ。」

 祐二れいじ近所きんじょのおてらった。ちょうどお盆前ぼんまえ。テストするには絶好ぜっこうだ。

れいえるメガネ?」

 住職じゅうしょく半信半疑はんしんはんぎだ。そりゃそうだ。坊主ぼうずといえど実際じっさいれいえるものなどそういるわけがない。

見本みほんいていきますので、あと感想かんそうかせてください。」


 おくぼんわり、祐二ゆうじ住職じゅうしょく感想かんそういた。

「だめじゃ、だめじゃ。そりゃ。自分じぶん祖先せんぞれいだけならまだしも、他人たにんいえれいまでえてしまって、皆怖みなこわがってしもうた。」

 墓参はかまいりにひとは、故人こじんのことを成仏じょうぶつしたとおもっている。それが、よもや未練みれんがましく幽霊ゆうれいとなってとどまっているなどとはりたくないのだ。ましては、他人たにんれいなどたくもないのだろう。

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