　紆余曲折あったものの、なんとか台所にたどり着いた。

　鼻をヒクつかせて魚の臭いを探ると、無防備にもテーブルの上に魚を放置していることがわかる。

　よし、テーブルの上の魚を頂戴してミッションクリアだ。

　軽やかにテーブルの上に飛び乗って、魚を一尾パクリとくわえる。その瞬間だった。

「あーっ！この泥棒猫！」

　毎週日曜日の夜に聞くおなじみの声だった。

　振り返ると、紗英さんが口を開けてこちらを見ている。

◆システム音声

『MISSION！紗英さんから逃げろ！捕まると死ぬぞ！』

　あっ、捕まると死ぬんだ。なんてシビアなんだろう。

　死ぬのはまずい、逃げなければ！

　私は瞬時にそう判断して、テーブルから飛び降りた。

＞我が逃走経路は……

　・窓

　・マンホール

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