極道 14

午前1時…


姉夫婦が来る

姉は既に泣いていた


みんなで父に声をかけ続ける


更に父の息遣いが強くなってきた


たまに痰がつまり

「ゼィ…ゼィ…」

と言う喉の音に変わり息が詰まりそうになる


母がそれを取る器具を父の口の中に入れて吸い取ってあげていた


それが…とても苦しそうで

顔を歪める父



午前4時…

さらに呼吸が激しくなる


次男が懸命に励ます

「オヤジ!俺の結婚式もうすぐだぞ!」


「スピーチするんじゃねーのかよ!」


「オヤジが出席しねーでどうすんだよ!」


母も声を掛ける

「一緒に家に帰ろうね」


「頑張って元気になって家に帰るんでしょ?」


無駄だとわかりつつも 皆 声を掛けずにいられなかった…


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る