極道 10
私は家でゴロゴロしながらずっと考えていました
父の所に行かなくちゃ
心では…頭では…
行こう…今から行こう…
と 思ってはいたが体が動かなかった
私は 父から逃げているのかもしれない
その日一歩も外へ出なかった
というか 家の中でさえも歩かなかった
ずっと床に転がっていた
夜になって何気にカレンダーを見て フッ?!と気がつく
「あっ…父の日…過ぎてる…忘れてたぁ」
まぁ 父の日 と言っても
最近プレゼントなんてした事ないケド
小学生の時…黄色い薔薇を一本プレゼントした以来あげてなかったなぁ…
あの時の父
どうだったかな?
喜んでくれたっけ?
いつしか私は昔の事を思い返していた
…
…
アレ?
…
…
父との数少ない
「良い想い出」
しか頭に浮かんで来なかった
膝に抱っこして貰ってお菓子を食べたなぁ
「ちび!」「ちび!」
って呼んでるご機嫌な父
そういえば中学3年の時
あの父が三者面談をしに学校に来た事があったなぁ
母が具合悪くなり
ハァ…
夕べ泣き過ぎて私の頭はやっぱ麻痺しているようだ
この日は笑っている父しか
思い出せなかった…
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