悪の巣窟

悪の棲む新居 1

小学2年生になった頃 我家に新築の家が建ちました

庭だった所に3DKの平屋建ての家です


……しかし 全くの新築と言う訳ではありません


近所に夜逃げをした家があり 何年も空き家になっており その荒んだたたずまいは

地元の子供達の間で お化け屋敷と 噂され近寄るのも恐ろしい雰囲気をかもしだしている家がありました


その家を取り壊し

その木材など 使える物はすべて使って我家が完成したのです


中古の新築?……

しかし?……何故?……

日銭暮らしの貧乏我家が 家を建てる事が出来たのか

詳しくは未だに解りません……


大工さんが3人しか居なかった事を覚えてます

もしかしたら 大工の棟梁のなんらかの弱みを父が握っていて脅して建てさせたのかもしれません


恐るべし……父……




さて


家もなんとか?無事に完成して 10畳1間の生活も終わり

トイレもお風呂もある素晴らしく快適な日々が過ぎて行きました


しかし……


この家には 夜逃げした一家の怨念がこもっていたのか……?

様々な 奇々怪々な

怪奇現象が起きたのです


金縛りなんてものは日常茶飯事!

それも 昼夜問わず毎日の様に家族の誰かしらがかかってました


更に 寝ている時のラップ音?

パン!パパパパ!パン!

と……耳元で爆竹の様な音がしたり


私は見てませんが… …父と兄がトイレに入ったら

落ち武者が居たと何回か飛びだして来た事もあります


落武者って……なんか笑える……


そして父がお風呂に入ると 風呂場から会話が聞こえて来ます

父が誰かと話をしているのです……

毎日必ずでした


いったい!誰と!


しかし…我家は父が怖くて誰も聞く事はありませんでした

しかもその会話は全て父1人の声……



父……危ない人になる



今から考えると この頃は 家族全員の心が病んでいたのかもしれませんね


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る