詩っぽいものの詰め合わせ

高峰千秋

青春だった

一人アルバムを見返していたら

柄にもなく感傷的になったんだ

気を紛らわそうとテレビをつけてみたけれど

バラエティの笑い声もどこか虚しいよ


劇的な恋愛をしたわけでもなくて

何かに熱く打ち込んだこともなくて

夜通し友情を語り合ったこともなくて


それなりの日常を

それなりに楽しんだだけだったけど

あれは確かに青春だった


何となく街に繰り出してみたら

人混みに埋もれる自分に気づいたんだ

自分がそうであるようにその一人一人が

何かを抱えながら生きているんだろう


失って初めて分かったわけではなくて

当時から漠然とした自覚はあったけど

予想以上にかけがいのないものだった


夢も憧れもなく

ときに辛く苦しくさえあった

あれは確かに青春だった


きっと何年かしたら

今このときも懐かしく思えるんだろう

青春は今も続いている

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