第13話
―――なんだい、この子は。だらしないねぇ。
風が、くるりと振り返ってくれたのが、アンジェラに伝わりました。
「ああ」
ありがとう、という言葉が、あるのはアンジェラも知っていたのでしたが。
どこで、どんなふうに、使えばいいのか、まったく知らなかったのです。
アンジェラには、きもちがありませんでした。
正確には、きもちを、きもちとして感じる心が、いまだ育ってなかったのです。
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