No.5(2018/02/08乱入)

「と、いうわけでスカートのなかを観察させてほしい!」

「なぜ姉のことを真に受けてしまうのです、清志お兄ちゃん」


 清志が僕の名前で、目の前にいる利発そうな小学生は幼なじみの妹である千歳ちゃんだ。彼女の姉である渦予音と同じように僕のことを実の兄みたく慕ってくれているのさ!


「で、うちの姉、なんて言ったんです?」

「男たる者、青春を終えるまでに校内でスカートをめくり、真理を識るべし……。これすなわち人生の試験勉強なり。だって!」

「当の本人は?」

「あたしは普段ジーンズを穿いているゆえ、真理はもっておらぬ。とか!」

「高校にまで呼び出した理由がそれですか」

「僕らの青春はもうすぐ終わっちゃうからね!」

「無事にご卒業できるといいですね。はいどうぞ」

「で、では……、こっこれが真理。真理は……白い。純白だ」

「シックスセンスは掴めましたか?」

「下ネタにはほんと弱いんだって!」

「英語が壊滅的でしたね。セックスではありません。シックスです。第六感ですから、真理にも繋がるかと」

「千歳ちゃんはおとなだなあ」

「ではわたしはこれで。人生の真理を識るとよいのです」



「本官、通報により駆けつけました! 清志なる変質者はどこに!?」

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