第10話 熱
少女は歩く。
夜の寒さはどこへ行ったのか。
空気がゆらゆらと揺れている。
日光がじりじりと髪を焦がし、熱風が肌を焼く。
少女はまっすぐにふらふらと歩く。
日は煌々と少女を照らし、蝕んでゆく。
少女はもう限界だった。
その身体に限界はないはずだが、足が止まりそうだった。
その輝きは少女の精神までも焼いてくる。
それでも少女は歩き続ける。
歩き続けて、歩き続けて、歩き続...
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