「     」


耳の奥に突き刺さるような、

   痛みを伴う冷たい風のなか、

      君は泣きそうな顔をしつつ、



それでも涙を流すことなく、

    その目は真っ直ぐ俺を見ていた。



互いの声が風に溶けるほど、

   痛みを伴う冷たい風のなか、

      君は倒れそうになりながら、



それでも俺を見つめたまま、

    確かに口を開いて言葉を発した。




      「     」





もうあれから会えていない、

それなのに望みを捨てれなくて、


もう会えるはずのない君が、

あの時俺に向けて言った言葉が、



俺に対する最後の希望「ありがとう」なのか、

俺に対する最高の絶望「さようなら」なのか、



今でもそれを考え続けている。



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