.


─────…


「ただいまー」


今日も1日が無事に終わって家につく


リビングに入ろうとドアノブに手を置こうとした瞬間


「おかえり」


「ぎゃあ」


耳元にささやかれびびって足がくすんで座り込んだ

…あーも、今日はなんて日なの


ふてくされた顔で声かけてきた人ににらみつける


本人はえらい爆笑してるけど


「もう!お兄ちゃん!」


仕掛けてきたのはお兄ちゃんだった


「ごめんごめん、そんな驚くって思ってなくて。

学校でもこけてたのにな」


ひっひって笑いをこらえようとしてるけど

こらえきれてないから…


「こけてたのになって、見てたの?」


「俺も遠くから見えてさ」


ほらよっと私の手を引いて立ち上がらせてくれた


「見てたの?恥ずかしい」


「一応声かけてたんだけどな」


「そうなの?ごめん気づいてなかった」


ふっと笑ってポンポンと頭をなでてきた


「亜依と舞も気づいてなかったし気にすることないさ」


「…うん」


お兄ちゃんは優しい

私とは年子でたった一個違いしか変わらないのに小さい頃から優しかった


私が少しでも落ち込んだりしたらこうやって大丈夫だと頭をポンポン撫でてくれる


優しいのは私が…

なんだろうな…

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