0-2妹の告白
栞の妄想は続く
「どうしよおおおおおお」
「お母さんに相談?お兄ちゃんに相談?友達に相談?、なにを言ってるの駄目に決まってるじゃない」
「前に呆サイトにお兄ちゃんが好きで堪りません、どうすればいいですかって質問したら」
「おっさん寝ろ、釣り乙、結婚すれ、ggれカスなんて返事しか来なかった」
「私どうすればああああ……」
ひとりぶつぶつと喋る栞……、だいぶ追い込まれていた。
「よし、とりあえずお兄ちゃん成分を補給しに行こう!」
さっきそっと覗いたらお風呂に浸かっていた。
お兄ちゃんにはシャワーだと早いけど、お風呂に浸かると長風呂だから当分お部屋には戻らないしちょっとお兄ちゃん成分を補充
それはストーカーと不法侵入、あと覗きだと誰か突っ込んでくれるわけもなく兄の部屋に入る栞……
「はあああ、お兄ちゃんの匂い、あ、高校の制服、これを着たお兄ちゃん、きゃあああああ格好いい」
「中学校の制服何処かな?ボタン貰っちゃおうかな、あ、どうせもう着ないんだからまるごと私の部屋に、額縁っていくらかなー?」
もう限界を越えて変態になっている妹……
ふと、戸棚を見るとラノベが数十冊
「そう言えばラノベに兄妹で付き合うって話があったなー?、確か妹が可愛すぎるとかなんとかって……」
「可愛すぎる……お兄ちゃんの好みってどんなだろう」
ベットのマットレスの下に手を入れ本を取り出す。
パラパラっとめくるそれ系の本
「お兄ちゃんやっぱりおっぱい大きい方がいいのかなー?」
自分の胸を見たあとに、麻紗美って娘の事を思い出す。
涙で目がうるっとなって、本が見えない。
「泣きながらお兄ちゃんの部屋で、エッチな本を読む中学生って……」
少し我に帰って目をこすり、本を閉じしまおうとすると、マットレスの端にちらっと見えた漫画、ページを開いて見ると!!!
「え!、え!、これって!!」
「兄妹で?!」
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全部がそういった内容じゃなかったので、兄にそんな素敵な趣味があるとは思えないが、可能性はあるのかも……
パソコンに向かって調べ物と本の注文
『兄妹 ラノベ』
出るわ出るわ実妹、義妹、悪魔に妖怪に神様……
適当に何冊か購入
続いて『兄妹 恋人』と検索
これも出るわ出るわ
「え、え相思相愛、え?一生恋人でお互いの気持ちが大事?!きゃああああああ!!」
ちなみにネガティブ情報は脳内削除した。
翌日到着したラノベを一気に読む
「お兄様?兄貴?兄さん?」
魔法も使えないし、モデルでもない、魔王でもないし、絵も書けない……
そんな私をお兄ちゃんは好きになってくれるだろうか?
「すべてはお互いの気持ち…」
「お兄ちゃんの気持ち…」
「わたしの気持ち」
お兄ちゃんはわたしの事どう思っているんだろ?
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