第1章 こんな学校嫌だ
1中学までの生活~高校選び~
飯島蓮人は中学の時に自分が転生者であり、異世界の人間だということに気付いた。そして、それからの人生は一変した。今まで何も感じなかった些細なことが気になり始めた。
生徒の髪の色や制服の着こなし方、話している内容、転生前にいた異世界との違いが浮き彫りになっていく。
気になっても、それを分かち合える仲間がいなかった。最初こそ、必死で自分が異世界からの転生者だということをクラスの仲間や家族に訴えたが、誰もが口をそろえて、ラノベ、マンガの読みすぎか、アニメの見すぎで頭がおかしくなったのだといって相手にしてくれなかった。
あまりに必死になっていたら、クラスから浮いた存在になってしまった。これではいじめの標的になりかねない。そう思った彼は、自分が異世界転生者であることを吹聴することをやめた。自分だけが知っていればいいことだと思ったからだ。
そうして、苦しかった中学校生活がやっとこの春に終わることができた。
転生先の両親は、教育が厳しく、進学率の高い高校を選べとうるさかった。飯島蓮人は、前世では高校受験の勉強をろくにしてこなかった。特に勉強せずに適当に受験をして高校に合格した。
そのため、今回も受験勉強に真剣に取り組まなかった。それが影響して第一志望には落ちてしまった。しかし、彼は頭が良い高校は自分には合わないと思っていたらしい。第二志望の高校は合格したのでまあいいだろう。高校なんてどこに行っても楽しいだろう。
彼は楽観的に考えていた。高校のオープンキャンパスがあり、それぞれの高校が自分の高校はどのような校風でどのような生徒がいるのかなど詳しく説明していたのだが、彼は面倒くさくて参加しなかった。さらに高校の案内が書かれたパンフレットもあったのだが、これにも目を通しはしなかった。それが今後、彼を苦しめることになるのだった。
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