第3話 定期点検

「定期点検訪問のお知らせ」

シェアハウスの入口(いわゆるフロント)の掲示板に「点検」のお知らせが掲載されていた。

少し前に、管理人が「近いうちに点検を予定しています。異常が無いかどうかの点検なので特に異常が見つからなければ数十分程度で終わると思います。何か問題が起こってからでは遅いですから。皆さんはいつも通りの生活で大丈夫です。」と言っていた。

これに住人が「どういった点検なんですか?」と訊いたら「主に電気系統ですね。ブレーカーとかです。いつも、停電が起きるじゃないですか。古いんでしょうがないんですけどね。」と説明した。


それから数日後、管理人と共に電器屋さんっぽい人がやってきた。その人は軽くブレーカーなどを見て「うん。大丈夫そうだね。ちょっと老朽化してきているけど、まだ大丈夫だと思う。次回、もしかするとケーブルとか交換するかもしれないね。建物の構造上、停電が頻繁に起こるのはしょうがない。」と言い、シェアハウスを去った。

「ありがとうございました。次回は半年後ですか?了解です。」と管理人は電気屋の人に一礼した。


この停電多発の影響で一部の住人が「シェアハウスの建替え」を要望したが、管理人は「金額的な面と、その期間中の部屋がすぐに見つかるか分からないので建替えは難しい。でも、一部改装は検討しています。」と答えている。

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