私のスタート点!!

 キーンコーンカーンコーン

授業終わりの鐘がなる。私は一番に保健室に向かった。


「...樹くん?樹くん、大丈夫??

「ああ...いつも通りだ。ありがとう。」


ちょっと胸がドクンドクンしていること、きっと気づかないだろう。だって助けてくれたんだよ!?...この私を。ちょっとかっこよかった。


 「そういえば、あなたが倒れる前、助けてくれた理由、モゴモゴ言っててよく聞こえなかったからもう一回教えて?」

「え.....」


実はなんて言ったか最後の部分だけ聞こえていた。好きだからって言ってたー♡

もしかして...私の事、好き!!??


「そ、それはな...」


なんて言いたいかわかるよ~!!そう思いながら私はニヤニヤ...。

 ガラガラガラ.....


「い、樹、大丈夫?倒れたって聞いて飛ぶように来たんだけど。」


!!??!!

聞いて驚くなかれ...いや、驚くよ!なぜかって?そこにいたのは....

漢女 美々歌だったから。


「な、なんでここに...?」

「ああ、俺が倒れる前に言った言葉、『美々歌が好きだから』だ。」


....へ?


「実は、俺と美々歌はずっと前から。」


....は?


「ごめん、黙ってて。壮亮には言い寄られたから樹に許可貰ってなんだよね。今回付き合ってたって言ったのは、そのほうが琴ちゃんのためにも都合が良かったからであって。ね、樹♡」

「ああ、美々歌♡」


お、おえええええええええええええ...。リア充ってこんなにも気持ち悪いのか。


「あ、ああ、そういうことだったのね。お幸せに...お二人さん!」


私は逃げるように保健室から出た。あの二人、付き合ってただなんて!!私の気持ち、一瞬の気持ちを返せ~(泣)あーあ、ドキドキした私が馬鹿だったわー。

 保健室を出て少し歩くと、寿とお局様が待っていた。


「どうだった?」

「美々歌と樹くん、付き合ってるんだって。」

「...は?ま、まじか。ちょっと驚きだったわ。」

「まあ、いっか!!さあ、校則破って廊下走ろう!!鬱憤バラシに!!」

「おお!」

「うん!」


私の勘違いは、学校生活ラブコメの新たなスタート地点に立った気がした。

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